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□A relation
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ぽけーっと二人の会話を聞くツナをギュッと抱き締めて、ジョットはその柔らかい頬に頬擦りしながら言ったのだった。

そう、顔は似ていても兄弟にしか見えないこの二人……信じられないことに親子なのだ。
とはいえ、実の親子ではないのだが。

「とにかく!とっとと準備して降りてこい!」
「分かった分かった」
「……ツナヨシ、朝食を用意してるから後で食べろよ」
「うん、ありがとう」

それまで般若のような顔をしていたGは、最後にツナにだけ穏やかな笑みを向けると、荒々しく部屋を出ていったのだった。

嵐が去ったような部屋の中で、

「さて……本当はもっとお前を可愛がってやりたかったが、Gが煩いからそろそろ支度をするか」
「ジョット……」
「うん?」

先にベッドを降りて着替え始めるジョットの背中に、ツナが遠慮がちに声をかける。振り返れば、彼は少し寂しそうな顔をしていて。

「今日も、帰りは遅くなるの?」
「ああ、今日は各国のマフィアが集まる大きなパーティーがあるからな。同盟ファミリーとの貴重な交流の場なんだぞ」
「そう……」

てきぱきと衣服を身に付けていく父親。まだ三十歳を迎えない容姿は若々しく、一人息子をもつ父親には全く見えない。

「お土産を持って帰ってくるから、ちゃんと良い子で待っているんだぞ」
「……うん」

そうして、最後にマントを羽織った姿に先ほどまでのだらしない様子はなく……十四歳の若さで自ら自警団を作り、今の巨大な組織にまで発展させたボンゴレファミリーのボスジョットは、愛息子にもう一度キスすると、颯爽と部屋を出ていったのだった。

そのキスといい先ほどのベッドでのことといい、何よりもお互いを見つめる視線といい……二人はただの親子ではなかった。そもそも幼子ならともかく、もう十四になる息子と一緒に寝ていること自体、少し普通ではないのだが。

そう、二人は愛し合っているのだ。親子としての愛情ではなく、それを越えた感情を抱いて。


ツナとジョットは、実の親子ではない。血は繋がっているのだが、遠い血縁なのだ。

ツナの両親は彼が生まれてすぐにこの世を去り、しばらくとある小さな村の孤児院で保護されていた。
だが物心がついた頃、当時自警団を立ち上げてまだ数年しか経っていない……つまり、まだ二十歳を迎えていないジョットに引き取られることになったのだ。

養子として。ジョットの息子として。

それからツナは、その小さな村からこの屋敷に連れてこられて、何不自由なく育てられたのだった。

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