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□Enchanters!
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今日の課題は、植物の種に魔法をかけ花を咲かせなければならないのだが……何をどう間違ったのか、ツナは炎を出して種どころか机も、近くにいたクラスメイトの髪の毛までも燃やしてしまったのだ。
「オメーという奴はぁぁ…!」
「すすすすみませんリボーン先生ぃぃっ!許してぇぇ…!」
教壇から怒りと殺気を飛ばしてくるのは、ツナの担任でもあるリボーンだった。すらりとした長身に酷く整った顔立ちの、かなりの男前だ。
だがその超絶美形も、青筋を立ててぶちギレている今はかなりの恐怖なのだが。
「テメェはやっぱり、ねっちょり指導が必要みてぇだな…放課後、覚悟しておけよ…!」
「そ、そんなぁぁ……!」
日がとっぷりと暮れるまで絞られるのも、むしろツナの日課となっている。
***
そして、ようやくその日最後の授業が終わって。
「あぁぁ、嫌だ嫌だぁぁ……!」
今日も、授業中に薬品を爆発させたり備品を壊したり、他の生徒を危険にさらしてしまったツナは……だが自分もぼろぼろで、体力も使い果たし机に突っ伏していた。心身ともに疲れ果て、もう言葉も出てこない。
だが、これからまだリボーンとの補習があるのだ。というか、実は雲雀や骸にも呼び出しを受けていて、もうどれに行けば良いのかも分からなかった。
今日は一体、いつ寮に帰れることやら。
そこへ、帰り支度を済ませた獄寺と山本がやってくる。
「ツナさん、大丈夫ですか……?」
「お疲れさん。さ、帰ろうぜ」
「あーごめん、俺……」
帰りたいのは山々なのだが、自分には補習や指導があるのだ。だから先に帰ってくれ……と言いかけて、ツナはふと思った。
「………」
確かに、悪いのは何事もちゃんとできない自分なのだが……こうも出来なさすぎて、常に怒られたり絞られたりすると、たまには逃げたくなるのも当たり前で。
(……サボっちゃおうかな)
そんなことをすれば、あの教師や先輩に後でどんな目に遭わされるか考えただけでも恐ろしいが……ツナにも少しくらい反抗心があるというか、たまにはぱっと遊んでストレスを発散したい訳で。
「ね、ねぇ二人とも……」
「はい?」
「ん、どした?」
久しぶりに遊びに行かないか、とツナは最早サボる気満々だった。一回ぐらい別に良いだろう、と魔が差したのだ。
だが、そんなことが簡単に許される訳もない。
案の定、
「沢田綱吉、授業が終わったら五秒で来いって言ったでしょ」
「この僕を待たせるとは、良い度胸ですね?」
「ひぇぇ来たぁっ!」