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□Enchanters!
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私立ボンゴレ学園―――都市部から離れた山奥に広大な敷地と巨大な校舎を持つ、全寮制の中高一貫校だ。
歴史と伝統もあり、学力も高い名門の男子校だということを含めても、特に変わったところもない普通の学校に見える。

―――ただ一つのことを除いては。


それは……ボンゴレ学園が“魔法学校”であるということだ。

ここは普通の学校ではなかった。炎を操ったり空を飛んだりと、お伽話や漫画の世界に存在するような、いわゆる“魔法使い”と呼ばれる人間を養成する機関なのだ。

何故、この世界に魔法などというものが存在するのか、仮に立派な魔法使いとやらを育てたとして、それは何のために、将来世の中にどのような働きをするためなのかという疑問を抱いてはいけない。
とにかく、この話では世界には魔法というものが存在して、魔法使いを育てる学校がこのボンゴレ学園なのである。

その証拠に、朝の登校風景……この時間帯は遅刻ギリギリの生徒が校舎に向かって猛ダッシュするという良くある光景はなく、地上を走る生徒はまれだ。

その代わりに、

「やべっ、遅刻するっ!」
「直接教室に行こうぜ!」

校舎から少し離れた所にある学生寮から、それも玄関ではなく各部屋の窓から次々と何かが飛び出した。良く見ればそれは全て十代の、制服を着た少年達で……彼らは勢い良く窓を蹴ると、落ちることなく風に乗って飛び上がった。
そして、かなりのスピードで校舎へ向かっていく。箒に跨ったり絨毯のようなものに乗ったり……何も道具を使わずに、その身一つで飛ぶ者もいて……確かに、普通の人間ではなし得ないことをしていた。

それだけではない。ボンゴレ学園ではその授業の多くが、普通のものとは酷く違っていて。
炎やら雷やらを操ったり、何やら怪しい薬を作ったり、異世界から人でも動物でもない謎の生き物を呼び出したり……と、普通の人間なら考えられないようなことを学び、修得するのだ。

そうして、学生達は将来何の役に立つか分からない不思議な術を会得し、立派な魔法使いへと成長していくのだった。

そう、立派な……

「っ、わぁぁぁん!どいてどいてぇぇっ!」

その時、朝の(空中飛行での)通学ラッシュの中、一際切羽詰まったような少年の声が響いた。
見ると、寮のとある部屋から一人の少年が箒で飛び出したかと思ったら、フラフラとあっちへこっちへ飛んだり、急にスピードを上げて他の生徒がにぶつかりそうになっている。

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