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□Accomplice
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だが、骸はデイモンの動きに注意しながら怪訝に眉を寄せる。
恐らく、相手はまだ本当の力を出していない。そして、それを見せようとする気配もないのだ。

(一体何を企んでいる……?)

こちらもまだ、相手の力量を測っている段階で。だが、ここに長居するつもりもない。

罠かもしれないが、向こうの誘いに乗って……早く決着を着け、ツナを助けたくて。

「行きますよ」

こちらから仕掛けることを決めると、骸は今度は自分から攻撃を仕掛けた。

デイモンが、内心笑ったのも知らないで。

彼は、始めから骸と本気でぶつかる気はなかった。恐らく力は互角。戦えば相当の力を消費する。
骸の身体を手に入れるのは、まだ計画の初期段階。デイモンには、まだボンゴレを潰し再建するという大きな目的が残っている。

だから……最も簡単に、確実に骸の身体を手に入れる手段を選んだのだ。

(さぁ……)

それは……


***


ツナは、沈んだ意識の中で誰かの声を聞いた。

―――さぁ……

(だ、れ……)

―――目覚めなさい、沢田綱吉

(っ…だ、め……)

それは、聞いてはいけない悪魔の声だった。心臓がどくりと脈打ち、全身に絡み付く見えない鎖がキツく締まる。

―――私の命令に従うのです

(だ、め…だめっ……!)

頭が痛い。身体が熱い。意識に靄が掛かっていく。

絶対に、従いたくはないのに―――

―――さぁ、目覚めなさい……従順で、淫らな―――私の可愛い人形

「―――っ、ぁ…!」

その瞬間、全てが白く染まった。


***


「………!」

デイモンが幻術にかかった瞬間、骸はその鎌のような武器を弾き飛ばしていた。背後で刃が突き刺さる音が響いた時には、三叉槍がデイモンの喉元に突き付けられていて。

「……終わりですね」

相手を鋭く見据えながらも、骸はやはり内心怪訝に思っていた。結局、デイモンは何も仕掛けてこなかったのか。

そしてこんな状況なのにも関わらず、彼はずっと愉快げに笑ったままで。

だが、ここで躊躇うつもりもない。

「堕ちろ、そして巡れ―――」

骸の刃が、デイモンを貫こうとした瞬間、

「っ……!」

突然背後に迫った気配に、骸は反射的に身体を捻っていた。それまで自分のいた空間を、鋭い何かが振り下ろされる。

「っ、な……!」

寸前でかわした骸の目が、驚愕に見開かれた。

何故なら、

「沢田、綱吉……!?」

そこにいたのは、弾き飛ばされたデイモンの武器を構えるツナだったからだ。だがその瞳は虚ろで、何の光も宿していない。

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