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□Accomplice
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デイモンはそこで、骸の背後へと視線を移すと、力なく横たわるツナを舐めるように見つめた。


始めは、軟弱なボンゴレ十代目などすぐに抹殺するつもりだった。

だが初めてツナに会った時、その強さを秘めた瞳とまっすぐな意志を持った心に……デイモンの気は変わった。
この存在を自分のモノにしたい。純粋で真っ白な身も心もぐちゃぐちゃにして、自分だけのモノにしたい……どうしようもない衝動に駆られて。

「最高でしたよ……怯える沢田綱吉の身体を無理やりに開かせて、泣き叫ぶのも構わず何度も犯すのは」
「っ、貴様……!」

うっとりと己の唇を舐めるデイモンに、骸は自分の中で何かが切れるのを感じた。

風を切る音がして……一瞬で間合いを詰めると、何の容赦もなく三叉槍を振り下ろす。常人では目で追うこともできない速さのそれを、だがデイモンは大きな鎌のような武器で難なく受け止めた。

「ハハハッ!人のことは言えませんよ六道骸!貴方も沢田綱吉の色香に眩み、手を出したはずだ」
「………!」
「同類なのですよ、貴方も私と」

刄を交差させながら、骸は何も言えなかった。確かにデイモンの言う通り、自分もツナに手を出したのだ。

骸も、ツナに初めて会った時から、言葉では言い表わせない感情を抱いていて。だがそれは、ずっと胸の中に秘めておくつもりだった。

それを、先ほど自ら崩壊させてしまったのだ。
艶やかな姿に惑わされた訳ではない。恐らく自分は、どんな状況であれいつかは己の欲望をツナにぶつけていただろう。

だから骸は、誰よりも自分自身に激しい怒りを抱いていた。ツナをあっさりと奪われてしまったことを。自分の欲望に負けたことを。

だが、

「……お喋りが過ぎるようですね。二度と無駄口を叩くことができないようにしてやりますよ」

だからこそ、デイモンが許せないのだ。自分と似ているから。まるで、愚かな自分自身を見ているようで。

そして、

「ヌフフ、それは無理な望みだ。何故なら、私は貴方の身体を乗っとり、完全な姿になるのだから…そして……」





「沢田綱吉は、私がたっぷりと可愛がってあげますよ……永遠にね」

その瞬間、凄まじい炎と炎がぶつかり合った。


***


ドーム状の建物には、二つの力が渦巻きせめぎ合っていた。

「……想像以上にできますね」
「クフフ、まだまだこれからですよ」

互いの刃が交差し、また互いの繰り出す幻術がぶつかり合う。どちらも一歩も退かず、力は互角かと思われた。

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