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□Harem?
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虹の代理戦争が終わって、再び並盛に平穏が訪れた―――その翌朝。
「うー…ん……」
朝日の差し込む自室のベッドで、心地好く微睡んでいたツナの意識がゆっくりと浮上した。
同時に、身体にいつもと違う温もりを感じて、まだはっきりとしない頭で不思議に思う。
(なん、か…あったかい………?)
布団の温もりとは違う、そして身体にぎゅうぎゅうと絡み付くもの。心地好いが若干の息苦しさを感じて、ツナはようやく目を開いた。
そこには、
「………」
知らない人物がいた。黒髪に整った顔立ちの、とんでもない男前がすぐ目の前に。
歳は二十代くらいだろうか。その人物はツナのベッドで、ツナの身体を抱き締めて眠っていた。
心地好さと違和感の正体は、この人物だったのだ。
「えー…と……」
そんな謎の男前の顔を間近で見て、まだ少し寝呆けた頭でしばらく考えた後、
「……ぇぇぇぇぇっ!?」
家中にツナの絶叫が響いた。
「なっ、なっ、ななな……!」
「……うるせぇ…何騒いでんだ」
「ぇっ、うわっ…!」
パニックを起こしていると、眠っていた男が眉を寄せ低く呻いて、再びツナを腕の中に閉じ込める。耳元にかかった吐息に、うっとりとするような低く擦れた声に、ツナはどきりと心臓を跳ねさせた。
「今日は休みだろ…もう少し寝てろ…」
「は…はぃ……っじゃなくて!」
思わず頷いたツナだったが、はっとして男の身体を押し退け跳ね起きる。顔は真っ赤になっていた。
「あああ貴方っ…い、一体誰なんですか!何で、俺と一緒に寝て…!」
「…、はぁ…?」
そこでようやく男が起き上がると、切れ長の瞳を怪訝そうにツナに向ける。やっぱりすんごい男前……と思ったツナは、ぱちくりと目を見開いた。
良く見れば、男には何だか見覚えがあって。
「貴方は…あの時の……!」
そう、目深にかぶっていたボルサリーノがなく、服装もスーツとは違いラフな格好で分からなかったが……その男は、今回の代理戦争で二回もツナのピンチを救ってくれたあの男だったのだ。結局最後まで、誰なのかは分からなかったのだが。
そんな人物が、何故自分と一緒に寝ていたのか……ツナは混乱するばかりだ。
すると、
「……全く、オメーはどこまで鈍くてダメダメなんだ」
「へ、わぁっ…!?」
心底呆れたようにため息を吐くと、男はツナの腕を引っ張って……ベッドに押し倒した。顎を持ち上げて、そのぽやっとした顔を覗き込む。