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□Paradise?
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一体どんな罰を受けなければならないのか、不安と少しの期待にドキドキしながら応接室へ行けば……ツナを待っていたのは、雲雀のお手伝いという酷く意外なもので。

てっきりこの間のような……性的なことをされるか、あるいはあまり考えたくはないがトンファーで咬み殺されるかだと思っていたので、ちょっと拍子抜けしてしまったのだ。

とはいえ、

「………」

ツナとしては、憧れの先輩である雲雀のお手伝いができて、側にいられるのはとても嬉しかった。人使いは少し荒いけれど。

ただ、

(もう…前みたいなことは、しないのかな……)

そもそも、臆病なツナが雲雀に大それた行動を起こしたのは、身体が欲情して我慢できなくなったからで……望んでいた相手に抱いてはもらったが、何せ過去では毎日のように可愛がられていたのだ。身体の疼きは全く収まらなくて、まだ持て余していて。

だからここ数日、夜なるとやはり一人で自身を慰めていた。頭の中に雲雀のことを思い浮かべながら。

「っ……!」

そのことを思い出しそうになって、ツナは慌ててお茶を飲み身体を落ち着けようとした。顔が赤くなるのはまだ良いとして、身体が熱くなるのは駄目だ、とかなり焦った様子で。

「……どうかした?変な顔して」
「ぇっ…い、いえ別に…!」
「そう」

顔を上げれば雲雀と目が合って、再び慌てて俯いてしまう。まさか、いやらしいことを考えていたなんて言える訳がない。

まぁ、本当はいやらしいことをして欲しいとか少し思っているのだが……そんなことを考えているのがばれれば、今度こそ咬み殺されそうだから。

(それにしても、雲雀さんって……本当にアラウディさんに似てるなぁ)

また目が合うと赤面してしまうので、ちらちらと雲雀を盗み見る。その姿は、髪や瞳の色は違うのだが、顔立ちや性格、雰囲気が過去の時代にいた守護者の一人……アラウディにそっくりだった。
同じ雲の守護者とはいえ、血縁関係ではないはずなのだが……元はと言えば雲雀に襲い掛かったのも、アラウディに姿を重ねてしまったからで。

もちろん、雲雀だから抱いてもらいたかったのだし、今はちゃんと雲雀恭弥という一人の人間を見ているのだが……ふとした拍子に、二人が重なって見えて。

(アラウディさん…元気にしてるかな……)

だから雲雀といると、たまに過去にいるアラウディのことを思い出してしまうのだ。彼があの屋敷を訪れて、側にいてくれた時のことを。

もちろん、いろんなことをされた記憶も。

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