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□会いたくて
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この間会えたのも、たまたま彼が任務で日本へ来ていたからで……次の日には、すぐにイタリアへ帰らなければならなかった。

それから約数ヶ月の間、ツナは遠い異国の地にいる恋人を想いながら、寂しい日々を過ごしていて。今日はようやく休暇の取れたスクアーロが日本に来て、久しぶりに会える日だったのだ。
今度は任務ではなく、ツナに会うためだけに。

好きな人に会える、一緒に過ごすことができる……ツナはここ数日、ずっとそわそわとしていた。

「……で、これからどうするんだぁ?」
「へ……ぁっ、そうだね」

嬉しさとスクアーロに見惚れて少しぽーっとしていたツナは、彼の言葉にはっと我に返る。

「えっ、と……スクアーロ、行きたい所とか見たいものとか、ある?」
「いや、別に……」

正直、ずっと離れていたから会えただけで充分だし、一緒にいさえすればスクアーロは何でも良いのだろう。それは、ツナも同じだった。

ただ、

「まぁ、せっかく日本に来たからな……少しくらい観光するかぁ゙」
「じゃあ、えーっと…どこか日本っぽい所に……」

日本っぽいって何だ、と自分でも突っ込みながら、ツナはうんうんと考えてみる。

しばらくして、

「じゃあ、ここから電車でちょっと行った所に有名なお寺があるから……その周りも昔ながらの家とかお店とかがいっぱいあって、メジャーな観光地なんだよ」

そこなら外国からの観光客もたくさんいるし、あまり目立たなくて良いだろう。あとは、和食の食べられるお店でお昼ご飯にすれば……と無難な計画を立ててみる。

スクアーロも反対する理由がないので、

「じゃあ、行くかぁ゙」
「うんっ」

初めてのデートに、ツナは心底嬉しそうに恋人の隣へ並んだのだった。


***


目的地に着くと、休日だけあってそこは多くの観光客で賑わっていた。

「……変わったモンがあるんだなぁ゙」

スクアーロが、露店に並べられた小さなこけしや鞠のキーホルダーを摘み上げてしげしげと眺める。少し興味がありそうな様子に、ツナはくすりと笑った。

「ヴァリアーの皆に、お土産とか買わないの?」
「いらねぇだろぉ……だいたいアイツ等、俺が日本へ行くことも知らねぇんだからなぁ」
「ぇっ…?」

その言葉に、思わずキョトンとしてしまう。

「言って、ないんだ……?」
「い、言える訳ねぇだろぉ!んなことしたら…!」
「………?」

首を傾げるツナに、スクアーロははっとして咳払いをした。

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