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□会いたくて
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穏やかに晴れた休日の朝。
とある駅前の広場で、中学生くらいの小柄な少年……ツナが、そわそわと落ち着かない様子で佇んでいた。
誰かを待っているのだろうか。柔らかな髪と同じ色の大きな瞳は、キョロキョロと絶え間なく辺りを見渡している。
その時、
「っ、ぅ゙ぉぉぃっ…こっちだ…!」
「っ、ぁ……!」
背後から誰かに声をかけられて、ツナはどきりと心臓を跳ねさせた。弾かれたように後ろを振り返れば、
「っ、スクアーロ…!」
「よ、よぉ……久しぶりだなぁ゙」
そこには、ツナが待ち焦がれていた人物……特殊暗殺部隊ヴァリアーの作戦隊長、スクアーロがいた。すらりとした長身に、誰もが目を引くほど長く銀色に輝く髪。
ツナは、スクアーロの姿を見ると表情を輝かせて、そして微かに頬を染めた。すぐにうつむくと、彼の姿をちらちらと見る。
「な、何だよ…」
「ぁ、その…スクアーロの私服見るの、初めてだなって…」
「あ、あぁ…」
いつもは何もしていない銀糸の髪は、今日は後ろで一つに括っていて。服装は、薄手の濃いグレーのジャケットにシンプルなインナーシャツ、下は細身の黒いジーンズ……と、あまり目立たない格好にしたつもりだろうが、綺麗な髪とモデルのようなスタイルは見惚れるほど格好良くて、かなり目立っていた。
先ほどから、周りを行き交う人々から多くの視線を受けているくらいだ。
「まぁ…いつもはあの隊服だから、な…」
「そう、だね……だから格好良いなぁ、って」
「っ、な……」
顔を真っ赤にして小さな声で呟けば、その言葉にスクアーロも耳まで真っ赤に染めてしまう。
(くそっ、コイツはいつも……!)
無自覚にこっ恥ずかしいこと言いやがって!……と心臓を跳ねさせる彼に、ようやく落ち着いたツナは照れたように笑った。
「スクアーロ、本当に久しぶり……来てくれて、ありがとう」
「っ……お、お゙ぅ」
その陽だまりのような笑顔に、スクアーロも頬を染めつつ……その頭をくしゃりと撫でてやった。
未来での戦いから帰ってきた後、どうしてもスクアーロにお礼を言いたかったツナは、彼の元へ押し掛けて……そこでいろいろあった末、実は自分が彼のことを好きで、彼も自分のことを想っているということが分かった。そしてそのまま恋人になり、身体まで深く繋げてしまった二人なのだが……。
(やっと会えた……)
何せスクアーロはイタリアにいて、あのヴァリアーの作戦隊長で……普段は考えられないほど多忙なのだ。