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□Eat a lot!
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すると、ツナはクフフ……と骸の笑う真似をして(ちなみに骸は不本意)、

「これは、チョコレートフォンデュなんだよー」
「チョコレートフォンデュ……」
「難しいものは作れないからさ、溶かして生クリームを混ぜただけなんだけど」
「ああ、そうなんですか……」

何故、溶かして混ぜるだけで台所があんなにも悲惨な状態になるのか骸には甚だ疑問だったが、この際それは気にしないことにする。チョコとクリームだけなら、妙な味が生まれることもないだろう、と。

「まぁ、そういうこでしたら食べてあげても良いですよ」
「っ、ほんと?」
「で、チョコフォンデュなら、具はどこにあるんです?」

チョコを潜らせるビスケットやマシマロ、フルーツなどは……と辺りを見渡すも、テーブルにはチョコしかない。

すると、それまでそわそわしていたツナが、今度は何やら頬を染めてもじもじし始めた。

「綱吉君?」
「ぁ…その……」

怪訝そうに尋ねれば、ツナは躊躇いがちに、ちらりと上目遣いをして、

「具は……俺、なんだ…」
「……は」
「だから…俺……」

いきなりそんなことを言うので、骸は思考を停止させてしまう。だが、ツナがエプロンを解きシャツの前をはだけ始めて、ようやくその意味を理解した。

そして、その艶やかな恋人の表情に、身体に情欲の火が点くのが分かった。だが、ここで動揺するのは悔しい……と、あくまでも表面は冷静に、

「それはまた……君にしては大胆なことを考えましたね」
「そ、そう?」
「一体、どういう風の吹き回しでしょうか」
「それ、は……」

まっすぐな視線に射ぬかれて、ツナはさらに頬を染める。
彼も気付いたのだろう。骸の視線に熱いものが混じり、獲物を狙うかのように鋭くなっているのを。

ただ理由は言えないのか、口をモゴモゴとさせるだけだった。

「まぁ……言いたくないのなら良いのですが」
「こういうの、嫌だった……?」
「まさか」

少し不安そうな顔をする恋人に、骸は口元を緩めて、

「せっかくですから……君の望む通りにしてあげても良いですよ」
「ぁっ……!」

耳元でそう囁けば、華奢な身体がびくりと反応する。

口ではそう言いながら、骸は欲情した瞳で、小さな恋人をその場に押し倒したのだった。


***


ぺろり、と赤い舌が覗いて、指に付けたチョコレートを舐める。その仕草だけで、ツナはぞくりと身体を震わせた。

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