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□Sand-wich!
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「……いるぜ、好きな奴」
「ややや山本っ……!」
「だよな?獄寺」
「っ……!」

真剣な表情をした山本と、焦ったように少し頬を染める獄寺。では、噂は本当だったのだ、とツナは妙な高揚感を覚えた。

「っ、わーやっぱり!?俺、全然気が付かなかったよ!」
「まぁ……そうだよな」
「ねぇ、どんな子?可愛い?」

恐らく名前は言いにくいだろうから、せめてどんな感じの女の子なのかを聞いてみたくて。身を乗り出して尋ねるツナは気付かなかった。
二人がちょっと複雑そうな、だが何か熱いものを秘めた瞳でツナを見ていることに。

「ああ……すっげぇ可愛いよ」
「わぁぁ本当にっ?」
「可愛くて、ちょっとドジなところもあるけど……でも優しくて、友達や仲間を大切に思ってる奴。一緒にいると、すげぇ心地いい」
「……まっすぐな気持ちを持った、強いお方です。心が綺麗で、いつも一生懸命で……ずっと、お慕いしています」
「………」

そんな子いたっけ……と思いつつ、ツナはどきりとしてしまう。二人は自分達の好きな女の子のことを言っているはずなのに、何だか自分に向かって言っているように感じられたのだ。
それだけ、二人が真剣なのだということが分かる。

(あれ、というか……)

そこでツナは、またも疑問を抱いた。
二人の好きな人は、もしかしたら同じなのだろうか。それに、一緒にいると……と山本は言ったが、二人が他の誰かといる所を、あまり見ないのだが。

いろんなことが頭の中を巡って、疑問は深まるばかりだ。

すると、

「……はぁぁ、ここまで言って気付かないとはなぁ」
「そういう所が、可愛いのですが……」
「ぇ…ぇ……?」

考えていると、目の前の二人ががっくりと肩を落としていた。だが、ツナは何のことだか分からない。

「二人とも、どうしたの…?」
「ツナ、本当に分からないのか?」
「ぇ……?」

再び山本のまっすぐな視線に見つめられて、心臓がどきりと跳ね上がる。

そして動けないでいると、その隣から伸びてきた手が、ツナの両肩をがっしりとつかんだ。視線を移せば、そこにはこちらも酷く真剣な表情をした獄寺がいて。

そして、

「俺達が好きなのは……貴方ですよ、十代目」
「へ……」

それだけ告げられた言葉に、ツナは文字通り固まってしまった。

「は…ぇ…?な…なんて……?」
「ほーんと、ツナはニブちんだなー」
「ふわっ…!」

次いで、山本に軽く肩を押され床に倒されてしまう。まだ頭が追い付いていないツナに、二人の友人が覆い被さってきた。

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