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□Sand-wich!
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二人に好きな人がいて、その人物のことを考えているからではないか、と。
(そっかぁ、それで……)
今まで告白されても断ってきたし、最近妙に落ち着かなかったのか、とツナは納得した。
(誰なんだろう……気になるなぁ)
何だか寂しいような、良く分からない気持ちにもなったりするが、大切な友達なのだから上手くいくように応援したい……その時感じた、ちくりとした何かにツナは気が付かなかった。
(でも、それにしては……)
自分の教室へ戻って、ドアを開ける。すると、
「あっ、十代目!帰りましょう」
「俺も今日部活ねーんだよ。ツナ、一緒に帰ろうぜ!」
「チッ、テメーは一人で帰れ!」
「冷てぇなぁ。ツナ、良いだろ?」
「う、うん……」
帰りを待っていたらしい獄寺が、すぐに表情を明るくさせて近付いてきた。次いで山本も。
「じゃぁ……帰ろっか」
「はいっ!」
「おぅっ」
帰り支度を始める二人に、ツナの疑問は解決されたと思ったら深まるばかりで。
(好きな人がいるなら…なおさら何で、俺とばっかりいるんだろう……?)
意外と奥手なのか、少しでもその誰かにアプローチしたいと思わないのか……本当に謎である。
そして、
(うーん、やっぱり聞いてみようかなぁ)
何だか気になるし……と呑気に考えるツナは、後程嫌でも知ることになる。
自分が、妙な直感は鋭く働くが、自分のことになると酷く鈍感だということを。
***
学校からの帰り、獄寺と山本はいつものことながら自然な流れでツナの家へ行くことになった。ちょうど買い物に出かけているのか、母親や居候のチビ達の姿はない。
ツナの部屋で、いつものように他愛ない話をして、笑って、騒いで。それからかなりの時間をかけて宿題を終わらせたところで、ようやくツナは口を開いた。
「ねぇ、二人ってさ……好きな人いるの?」
「はっ?」
「え?」
男友達なんだし、別に遠慮することもないだろう……と、ストレートに聞いてみる。予期せぬ言葉だったのか、二人は驚いたように声を上げ一瞬固まった。
だがそれで確信する。二人にはやはり想い人がいるのだ、と。
「じ、十代目…何故、それを……」
「え?女の子達の間で噂になっててさ……ほら、俺達ってそういう話全然しないじゃん?だから、本当かなぁって」
「なるほど、な……」
ようやく我に帰ったのか、獄寺と山本が気まずそうに視線をそらす。まだ戸惑っている獄寺とは対称的に、山本は頬をかきながら、興味津々に返事を待つツナを見た。