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□Sand-wich!
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「おはようございます十代目っ!」
「はよーっすツナ!」

朝。例によってツナが慌ただしく家を出ると、そこには二人の男子生徒がいた。

一人は、銀髪の髪に指輪やブレスレットを付けた、いかにも不良っぽい少年。目付きは悪いが、ツナに挨拶をするその表情は満面の笑みだ。
もう一人は、黒髪に爽やかな笑顔が印象的な、スポーツマンらしい少年。

「おはよう獄寺君、山本!いつも遅くてごめん…!」
「良いって!気にすんなよ」
「全然大丈夫です!さ、行きましょう」
「うんっ」

全く気にした様子もなく返してくれる二人に、ツナの表情にも笑顔が浮かぶ。それから三人は、いつものようにいろんなことを話しながら学校へと向かった。


一匹狼の不良である獄寺隼人と、スポーツ万能でクラスでも人気者の山本武。そんな二人と、何をやらせてもダメダメなツナが友達になるなんて、ツナ自身も始めは思いもしなかった。

きっかけも、普通では信じられないような話だが……一年ほど前に突如イタリアから現われた赤ん坊に、実はツナが巨大マフィアボンゴレファミリーの十代目ボスだということを告げられたことが始まりで。
それからというもの、ツナはその自称家庭教師のせいで様々な酷い目に遭わされた。そのうちに獄寺と山本とも一緒に行動するようになって……今では大切な仲間であり、親友なのだ。

(いろいろあったけど…二人と仲良くなれて良かった……)

自分をボスとして慕い、めちゃくちゃな行動を起こす獄寺と、いつでもマイペースで、だが頼りになる山本。今でも大変なことはあるが、二人と一緒にいられることがツナには嬉しかった。

(でも……)

そんなツナは、近頃少し不思議に思うことがある。

「でさぁ、そん時に――」
「はっ、だからオメーは野球馬鹿なんだよ。ねっ、十代目?」

毎朝こうして迎えに来てくれて、一緒に学校へと向かう。学校でも常に一緒に行動して、放課後もツナの家でチビ達と遊んだり、リボーンのむちゃくちゃな思い付きに巻き込まれたりする。
楽しい話も、何かの愚痴も、全部ツナに喋って―――。

(良いのかなぁ……?)

ツナは、二人が自分以外のクラスメイトと話をしたり、一緒にいるところを最近あまり見ないのだ。獄寺はともかく、山本も部活ではそんなことはないのだが、それ以外ではほとんどツナといる。

二人と仲良くしたい女の子や、クラスメイトはたくさんいるのに……自分だけが独占してしまって良いのだろうか、と。

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