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□Slave to passion
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その、さらに鋭くなった雰囲気に、そして何か熱いものを秘めた視線に……ツナは本能的な恐怖を感じた。
頭の中で、警鐘が鳴り響く。
この男は危険だ……と。
(にげ、なきゃ……)
グローブと死ぬ気丸を探すが、身に付けていない。それでも、何とかここを出なければ、と白蘭が入ってきたドアを見る。
だが、
「ダーメ。逃がさないよ」
「ぁっ……!」
ベッドから降りようとした身体は、逆にシーツに押し倒され押さえ付けられてしまった。覆い被さってきた男と距離が近くなって、ツナはさらに身を縮ませる。
「ゃっ…どいてっ…!か、かえして……!」
「うん?」
「み、みんなのところへ…帰して……!」
死ぬ気にならなければ、グローブがなければ戦えない。戦えたとしても、この男が計り知れない力を持っていることはツナにも分かる。
だから、ただそう訴えることしかできなかった。
「アハハ、ダメだよ。だって綱吉クンは、もう僕のモノなんだから」
「っ、ぇ……?」
そんなツナを、白蘭は目を細め愉快げに見下ろす。どこか舐めるような、ねっとりとした視線で。
「本来の目的はボンゴレリングだけど……僕、綱吉クンみたいな可愛い奴隷が欲しかったんだ」
「ど、れい……?」
「そう♪」
普段聞き慣れない言葉に、大きな瞳が不安そうに揺れる。男が何を言っているのか、すぐには理解できなかったらしい。
「だからね、君はずっとここにいるんだよ。僕の側で、一生」
「っ…や、だ……!」
だが白蘭が危険な男で、ここから早く逃げなければならないということだけは分かる。一生という言葉に、ツナは無意識に首を振った。
「や、だ…やだっ、帰して…かえしてよぉっ…!」
「うーん、しょうがないなぁ」
「ぁ、ぅっ……!」
すると変わらず笑みを浮かべたまま、全く困ってなさそうに言って、白蘭はツナの首から垂らされていた鎖を引っ張った。その瞬間、首に絡み付いたそれが締まり、息苦しさに顔が歪む。
「良いのかな?僕のモノにならないで一番困るのは、綱吉クンの方だよ」
「っ…な、に……?」
押し退けようとする細い手首をつかみ、抵抗を封じながら、白蘭はその顔を覗き込んだ。戸惑いを隠せない、幼い少年の顔を。
「僕は、君さえ手に入ればそれで良いんだ。他のボンゴレの人間なんて、どうでも良いんだよ?」
「っ……!」
「でも、そうなると君が悲しむだろうから、手を出さないであげてるんだ。だから……」
「っ、ぁ゙……!」