Main3

□Sense of distance
2ページ/12ページ



家が隣同士で、幼い頃からずっと一緒だった二人。ツナが物心付いた頃に、リボーンがイタリアから越してきたのだが……その時からすでに大人びていた彼に、臆病で人見知りの激しいツナは、友達というよりも子分のような扱いを受けていたのだ。

成績優秀でスポーツ万能、自分で何でもこなすリボーンに対して、勉強も運動も苦手(というか壊滅的)、不器用で何をするにも人と遅れてしまうツナ。性格も正反対で、一見友達にはなれそうにないが……意外にもリボーンは、他に友人を作ることもせずツナにばかり接していた。

俺様な性格で、ダメダメなツナをからかったり意地悪をしたりはするが……何だかんだ言ってツナの世話を焼き、面倒を良く見てくれる。小学生の頃など、苛められているツナをいつも助けていた。

ツナも、俺様なリボーンに振り回されながらも、彼を慕い頼りにしていたのだ。
そしてそれは小学校、中学校を経て、高校になってからも同じで。

だが、

「………」

近頃のツナは、リボーンに対して複雑な想いを抱いていた。


***


「どうしよう……」

授業の合間にある休憩時間中。自分の机の上に授業のノートを広げて、ツナは途方に暮れていた。次の時間に当たることになっているのだが、課題が解けなかったのだ。

「だから、昨日教えてやるって言っただろ」
「リボーン……」

そこへ、飽きれたように言いながらリボーンがやってくる。勉強のできないツナは、良く彼に宿題を見てもらったり教えてもらったりしていたのだが……昨日は、何とか自分で頑張ってみようと思ったのだ。

それが、結局は無理だったのだが。

「もうすっかりツナの家庭教師だな、リボーン」
「授業中も、ずっと隣に付いてやった方が良いんじゃねぇのー?」
「うるせーぞお前ら。邪魔するならどっか行け」
「っ……!」

ツナの隣に立って、解説をしながら問題を解いていく姿に、クラスメイトがかうように言う。リボーンは、それらを軽く睨んであしらっていた。

彼らに悪気はない。いつものことなので、リボーンも特に何も気にしてはいない。

だが、ツナは……

「………」

きゅ、と唇を噛み締め眉を下げると、黙ってうつむいてしまったのだった。


勉強を教えてくれる。困ったことがあれば、いつも助けてくれる。

昔はそれが嬉しかった。ダメダメな自分を嫌わずに、ずっと側にいてくれるのが。

けれど、最近は……

次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ