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□共通点
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だから、学校へ行っても楽しくはないのだが……

(………)

そこで、ツナは僅かに頬を染めた。

友達がいなくても、話し相手がいなくても、やはり年頃の男の子。気になる女の子はいる訳で。

(今日も…話できるかな……)

実はクラスに一人、いつも視線が行ってしまう女の子がいるのだ。可愛くて明るくて、いつも一人でいるツナにも話し掛けてくれる優しい子。

自分に自信などないから、両思いだったら良いなとか、付き合いたいとかは思わない。ただ、少しでも仲良くなれたらなと思う。

憂鬱な学校生活の、ツナにとっては唯一の楽しみでもあった。


***


「……綱吉、学校で何か良いことでもあったのかい?」
「えっ…?」
「何だか楽しそうですね。僕にも聞かせて下さいよ」

その日の晩、夕食の配膳を手伝っていると、学校から帰ってきたばかりの恭弥がツナの表情を見て尋ねた。同じく骸も、興味深そうにツナを見ている。

小さい頃から好きなものも趣味も合わず、あまり仲が良いとは言えない双子の兄達。だが、ツナにはいつも優しく接してくれる。
勉強や友人関係など、学校でのことなども良く気に掛けてくれるのだ。

あまり表情を変えないので一見冷たく見えるが、従兄弟なのに本当の弟のように可愛がってくれる二人のことがツナは大好きだし、信頼していた。

だから、

「うん、今日…ううん、最近ね……」

ツナは何の疑いもなく、

「良くお話するようになった子が一人いるんだ。まだ、友達とは言えないかもしれないけど……」

純粋に話を聞いてほしくて、笑顔で二人の兄に話し掛けていた。

「へぇ……」
「俺は友達になりたいし、もっと仲良くしたいけど…その、女の子だし……」
「そうなのですか……」

その瞬間、恭弥と骸の声音がどこか固く、微かに冷たくなったことにツナは気付かない。表情も、あまり変わらないので分からないが、僅かに冷たいものが滲んでいて、

「……それは、良かったね」
「うんっ」

だが、それも一瞬で……二人の兄は、薄らと微笑みを浮かべると弟の頭を優しく撫でたのだった。

そして、

「女の子のお友達ですか…名前は、何と言うのですか……?」
「えっとねっ…」

最後まで、ツナはその違和感に気が付かなかった。


***


翌日、ツナがいつもより明るい気持ちで登校すると、その女の子は休みだった。風邪だろうか、週明けには登校できると良いなぁと、ツナは少し残念に思う。

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