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□Welcome home!
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だから、今日は特に美味しいものを作って、お風呂で身体を綺麗に洗ってあげて……ベッドでは、うんと気持ち良くなってもらいたい……まだ中学生にも関わらず、ツナの頭の中はそんなことを考えていた。

だが、

(でも、他にも…隼人がもっと喜んでくれるようなこと、ないかなぁ……?)

せっかくの夜なのだから、たくさんサービスをして喜ばせたい。どうすれば良いだろう……と、ツナはぐるぐると頭を悩ませる。

その時、

「………!」

不意に、教室を何となく見回していたツナの瞳に……あるものが留まったのだった。


***


そしてその夜。業務を早く終わらせ残業もほとんどしないで、獄寺は自宅のマンションへと向かっていた。その足取りは、疲れてはいるがどこか軽く、表情も明るい。

(……早く帰らねぇとな)

家で待っているであろう小さな恋人のことを考えて、心の中でそう呟いた。

年下のツナに敬語を使う彼だが、元々の言葉遣いは別にそうではなく、他の人間にはかなり荒々しいことを言ったりする。

ツナにだけなのだ。優しくて穏やかな物言いをするのは。表情だって、本当は視線も鋭く険しい顔付きなのに、ツナには別人かと思うくらい柔らかな、暖かい笑みを向けて。

それくらい、獄寺にとってツナは特別で、大切な存在だった。

(帰ったら、すぐに玄関まで来てくれるんだろうな……)

その姿や光景を思い浮かべて、獄寺は知り合いが見れば驚愕されそうな笑みを浮かべる。早く抱き締めて、キスをして、たくさん可愛がってやりたい……そう思いながら。

そして、ようやくマンションに着いて自分の部屋の前まで来ると、ドアのノブに手をかけた。

ゆっくりとドアを開けながら、

「……ツナさん、ただいま―」

ただいま帰りました……と、恐らくリビングにいるであろう恋人に聞こえるように言おうとして。

だが、

「………!」

ドアを開けた瞬間、獄寺は口を開いたまま固まってしまった。何故なら、そこには普段なら考えられないようなものがいたからだ。

それは、

「…お、お帰りなさいませ…ご主人、様……」

それは、何とも可愛らしい……メイドさんだった。

黒を基調にしたメイド服は、所々に真っ白なレースをあしらっており、エプロンはもちろんふりふり。丈の長く清純な、正統派なものではなく、スカートはギリギリまで短くて、裾を引っ張らないと下着が見えそうだ。

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