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□Subjunctive mood
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「何やらせてもダメなのに、ケンカなんかできるはずねぇって。さっきのは、何かの間違いだろ」
「それにしても、本当に女みたいだよなぁ」
「っ、ぇ……?」

そしてその複数の視線は、ツナの白くて滑らかな肌、ほっそりした身体を舐めるように眺めていて。

不穏な気配に、ツナが今度こそ逃げようとした瞬間、

「へへ、待てよ」
「っ、ぁ……!」

いきなり肩を捕まれて、その場に押し倒されてしまった。殴られるのだろうか、とツナは身体を竦ませる。

だが、

「どっちみち、やられた分は返さねぇと……なぁ?」
「男相手とかあり得ねぇって思ってたけど、お前ならいけそうだな」
「っ……!」

男達の視線や表情は、やはりどこかおかしくて。

それが、ただ殴られるよりももっと酷いものだということは、今のツナには分からなかった。


***


「っ、ゃ……!」

路地のもっと奥、ほとんど誰も来ないような所まで連れていかれて、ツナは再び押し倒された。すぐに複数の手が伸ばされ、肌を手荒く撫で回される。

「やだっ…ゃぁっ……!」
「ほらぁ、暴れるなよ。すぐに良くしてやるからさ」
「すげぇ、すべすべだな」
「ひ、ぅっ……!」

ベタベタと執拗に触られるのが、気持ち悪くて仕方がない。だが、複数に押さえ付けられては逃げられるはずもなく、ツナはただ嫌々と首を振った。

(な、に…なに、する気……?)

てっきり暴力を振るわれると思っていたのに、この男達はいったい何をしようとしているのか。訳が分かららなくて、ただ身体を震わせるツナ。
誰かが、そこだけ薄い色をした乳首に刺激を与えるが、ツナにはくすぐったいだけで。

「ぃ、ゃ…なにっ……?」
「さすがに、女みたいにすぐには感じないか」
「でも、これからだんだん開発していくって、何か興奮するよな」
「ぃっ…たぁ……!」

強めに摘まれて、ツナの表情が苦痛に歪んだ。

だが性に疎く、まだ感じるということを知らない様子は、さらに男達の加虐心を煽った。
そして、その行動はさらに大胆になっていって。

「っ……!」

いきなり下着の上から自身をつかまれて、ツナは驚いたように跳ね上がった。急所を握られて、全身に本能的な恐怖が走ったのだ。

「ゃっ、はなし……!」
「ちっせぇなぁ。ダメツナは、オナニーとかやってんの?」
「おな、にー…?」

性のことなど何も知らないのだ。ツナには言葉の意味も分からないだろうし、その行為もやっていないだろう。

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