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□A take
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だが、そんなことにこの俺様な家庭教師が構うはずもなく、
「何言ってんだ。日本以外じゃ、今日みたいな日は眠らずに朝まで騒いで、それから昼まで寝るのが常識だぞ」
「いや、それはちょっと違うような……ていうか、明日は昼間からパーティーだろ!今日はもうゆっくり…」
「うるせぇ」
「ぎゃぁぁやめっ…!」
やはり何を言っても通じることはなく、せっかく身に付けた服を無理やり脱がせようとするリボーンに、ツナも強行手段に出た。もう、やられっぱなしの中学生の頃とは違うのだ。
「っ……今日はもう、絶対に無理だ、ってば!」
そう言って、自由な足で上に乗っかる男を蹴り落とそうとする。この十年間で、ツナだって成長したのだ。
だが、
「……ダメツナが」
「いたぁっ…!」
元々ツナも酔っていたので、あまり力が入らないし動きも鈍い。そもそも、散々抱かれた後で身体はくたくたなのだ。
だいたい、ツナに格闘術などを教えたのはこの男なのだから……どう頑張っても勝ち目はない訳で。
案の定、蹴り上げた足はあっさりといなされて、うつぶせに転がされると上から押さえ付けられてしまった。つまり、もう逃げられない。
「馬鹿が、俺に勝とうなんて十年はえーぞ」
「ひ、ぃっ……!」
後ろから聞こえてくる声音は低く、だが心底楽しげで、逆にツナは恐ろしくて仕方がない。振り返ることさえできないくらいだ。
「っ、ごめ…でも、本当にもう…むり……!」
「そうだな、何も出ねぇくらいイかされたもんな」
すると、リボーンが少しだけ声を和らげて言うので、ツナは僅かに希望を見出だす。もしかして、分かってくれたのだろうか、と。
だが、
「安心しろダメツナ。淫乱なお前のチンコなんざ、すぐに勃たせてやる」
「ひっ……!」
「それとも、そんなにイくのが嫌なら……俺が満足するまで、絶対にイかないようにしてやろうか?」
「………!」
後ろからかけられた言葉は、どこまでも残酷で。
そう、この男がそんな甘ったるいことで許してくれるはずなどないというのに。
(ひぃぃぃぃっ……!)
ツナは知らない。リボーンがこの特別な日に、ツナを独り占めするためにわざとあんなゲームを持ちかけて、守護者達を酔い潰したことを。
全部、ツナとの時間を邪魔されないようにするためだったということを。
***
誰もが活動を休止する、深い夜の時間に。
「っ、ぁ…ぁぁぁっ……!」
薄暗い部屋には、青年の艶やかな声だけが響いていた。