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□No image
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ぬるりとした舌が口内に潜り込んできた瞬間、ツナは気持ち悪さに……思わず男のそれに歯を立ててしまった。

咄嗟に唇を離した男は、だがにやりと笑ったまま、

「躾がなっていないな……まぁ、これから俺がじっくりと調教してやる」
「な……、っ…!」

そう言ってまた覆い被さってくるので、今度こそツナは抵抗した。唯一自由になる足で、鋭い蹴を放とうとして、

「おっと」
「っ、く……!」

だが、予想されていたのか、それはあっさりと受け止められてしまう。そのまま腹の上に乗っかられて、完全に身動きを取れなくなってしまった。

「っ、どけ……!」
「あのボンゴレのボスと言えど、細い身体だ……力で俺に勝てる訳がない」
「っ、くそ……!」

何とか抜け出そうと藻掻くツナを笑って、男が再び顔を近付けてくる。またキスをされるのかと、ツナは顔を背けた。

だが、

「っ、はぁ……」
「っ……!」

首筋に熱い息がかかって、身体がぞくりと震える。男が鼻息を荒くして、ツナの首元に顔を埋めていたのだ。

「は……良い匂いだな…堪らねぇ……」
「っ、っ……!」

しきりに匂いを嗅ぐ男に、嫌悪感だけが募っていく。これが、本当にあの慕っていた男なのだろうか。

「肌も…白くて、滑らかで……」
「っ、やめ……!」
「キメが細かい…触感も…想像以上に、良い……」

さらにカッターシャツの前をはだけられて、肌をねっとりと眺められる。露になった綺麗なそれに独り言のように呟きながら、男は確かめるように指を、舌を這わせていった。

「っ、ぅ……!」
「甘い味がする…乳首も、ピンクだな……」
「や、め……、っ……!」

そして、その視線が色の薄い胸の突起を捕らえて、そこに舌と指が伸ばされようとした瞬間、

「やめろ……!」

酷く鋭い、今までに聞いたことのないようなツナの声が響いて、男は一瞬動きを止めた。見ると、そこには怯えも何もない、強い光を宿した瞳が男を睨み付けていて。

「気安く、触るな……!」

それは凛とした、そして誰もが逆らうことを許されない、酷く鋭い声音だった。


ツナは、幼い見た目に反し冷静で大人びた雰囲気の、そしてマフィアのボスとは思えないほど穏やかな、優しい心の持ち主だ。だが誰よりも強い意志を持ち、多くの部下をまとめ上げ組織を動かす実力を持つ。

だから、時には誰よりも容赦がなく、壮絶な何かをその身にまとって……今が、まさにその瞬間だった。

すると、

「……く…くくっ……」
「………!」

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