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□Service play
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それまで惚けていたツナが、一瞬の間の後絶叫した。酔いが一気に覚めるような衝撃だ。
「き、聞いてないっ!何だよその無茶苦茶なルール!ていうか、王様ゲームでも何でもないじゃん!」
それに、何でも命令できるなんて……そんなゲームを持ち出して、あの守護者達が黙っている訳がないのだ。
何故なら、
「なっ、マジっすかリボーンさん!」
「何でも?へぇ、おもしれぇ」
「それは極限に楽しみだな!」
「つ、ツナさんに……?」
「暇潰しには、もってこいだね」
「クフフ、付き合ってあげても良いですよ」
「ほらぁやっぱりぃぃっ…!」
約十年前の中学生の頃から、ツナに対し親愛を通り越してただならぬ感情を抱いている守護者達。想いを伝えるどころか、すでにあんなことやこんなことをする仲になっていて。
そんな、いつもツナを取り合いにしている彼らが、こんな……案の定、ルールを聞いた守護者達が、嫌がるどころか大いに乗り気なので、ツナは顔を青ざめさせた。
というか、全員瞳の奥が怪しく光って、悪い笑みを浮かべたり異常に興奮したりと、めちゃくちゃ怖い。
(い、嫌な予感……!)
いったい、何を命令されてしまうのか……お酌とか、肩を揉むくらいならどんなに良いか……そんな、なまっちょろいことをしてほしいだなんて、この守護者達が言う訳がない。
そして、
「おいダメツナ、ぶつぶつ言ってないでさっさと始めるぞ」
「ひぃぃっ……!」
結局、気の短いヒットマンにどやされて、ツナは無理やりゲームをするはめになったのだった。
それが、まさかあんなことになるなんて……予想できるのが、さらに悲しい。
***
「……じゃあ一回目。全員一緒に引けよ」
「ぅぅぅ……!」
テーブルの置いていない、比較的広いスペースに全員が輪になって(むしろツナを囲むように)座って……リボーンが、守護者全員分のくじを握った手を差し出した。
ツナだけは全く乗り気ではなく、すでに泣きそうになっているが、他のメンバーの表情は真剣そのものだ。というか、皆目がマジだし何だか息も荒い気がして……ぶっちゃけめちゃくちゃ怖い。
「せぇの……」
何とか逃げられないだろうか、とツナが逃亡を目論む前で、守護者達は一斉にくじを引いた。
そして、
「っ…じゅ、十代目ぇぇっ!俺、やりましたっ…!」
どうやら、一番手に王様のくじを引いたのは獄寺だったらしい。涙を流して喜ぶ姿に、ツナは少し引き気味だ。