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□Service play
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だがこの二人、本当は仲が良いのではないかとツナは密かに思っている。怖いので、決して口には出さないが。
そして、
「おいダメツナ。さっさと俺にも酌をしろ」
「もう、分かってるよ」
尊大な態度でボンゴレのドンに命令するのは、最強のヒットマンであるリボーン。切れ長の瞳に整った顔立ちの、かなりの男前だ。
空のグラスを持って、こちらに来いと言う。
いつまで経っても師弟関係は変わらないようで、文句を言いながらも、ツナは一番離れた席まで行ってウイスキーを注いでやった。ちくしょう、酒を飲む姿まで様になりやがって、と心の中で悪態を吐きながら。
「ふん、お前も酌くらいはできるようになったか」
「一言余計だよ!」
そう言いながらも、リボーンは教え子が素直に酒を注ぐ様子に満足そうだった。ツナも、この俺様な男が上機嫌ならまぁ良いか、と思ってしまう。
だから、
「おい、喜べダメツナ」
「え?」
ツナはすっかり忘れていた。
「この俺が、宴会をもっと盛り上げてやるからな」
「はぁ?」
リボーンが、いつもとんでもない思い付きで、ツナをとんでもない目に遭わせることを。
だがいくら尋ねても、元家庭教師は笑ったまま教えてくれないので、ツナはまぁいつものことかとあまり気にせず席に戻ったのだった。
それが、とんでもない間違いだということも知らずに。
***
それはだいぶ酒も進んで、誰もがすっかり出来上がりつつありそうな頃だった。
「おいお前ら。今からゲームをするぞ」
ボルサリーノを目深に被ったリボーンが、そんなことを言い出したのは。
全員ほどよく酒が回っているものの、まだ意識ははっきりとしているようで、怪訝な表情をする。酒が弱いので控えめにしていたツナも少しボーッとしつつ、また何を言い出すのかとちょっと不安になっていた。
そんな面々を見渡して、リボーンはにやりと笑うと、
「やるのは、王様ゲームだ」
王様ゲーム……それは、全員で一斉にくじを引いて、王様に当たった者がそれ以外の番号の人間に何でも命令できるという究極の……
(……何だ、意外と普通だなぁ)
いつもとんでもないことを言い出すので、何かと思えば……と、ツナは少し拍子抜けをしてしまう。
すると、
「しかも、今回は特別ルールだぞ」
リボーンは、そんなツナに内心笑って、
「今日は、日頃良く働いてくれる守護者どもに、ボスが労う意味を込めて開いた宴会だからな。だから、王のくじを引いた奴は、ツナに何でも命令しても良いことにする」
「っ、はぁぁぁぁっ!?」