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「―――えっと、皆いつも本当にありがとう!かんぱーい!」

某月某日の夜。イタリアにある巨大マフィア、ボンゴレファミリーのアジトの……広々とした唯一のお座敷では、その名の通り宴会が行われていた。

その中心にいるのは、沢田綱吉……その若さでボンゴレ十代目に就任した青年だ。そしてメンバーは、ツナの守護者である六人の男達と、ツナの元家庭教師であり今はフリーの殺し屋であるリボーン。
とはいえ、リボーンはボンゴレの一員だと言っても良いほどツナの側にいて、今でも彼に助言をしたり手助けをしたりしているのだが。

そしてこの宴は、日頃から支えてくれる仲間達に、ツナが感謝の気持ちを込めて企画したものだった。ファミリー全体の巨大パーティーは、明日行われる予定なのだが……その前夜である今日、幹部のメンバーと一足先に小さな宴を開こうと思ったのだ。

日頃は何かと忙しくて、守護者全員が集まることなど滅多にないので……こうして集まってくれた仲間達に、ツナは喜びを隠せない。

「十代目、お注ぎしますよ」
「ありがとう、獄寺君」

すかさずお酌をしてくれるのは、右腕である獄寺隼人だ。今日は皆を労う宴なので、ツナも獄寺のグラスに注いでやる。

「あっ、獄寺ずりー!ツナ、俺も俺も」
「あ、はーい」
「引っ付くんじゃねぇこの野球馬鹿!」

すると、隣にいた山本武が甘えたように言って、ぎゅっと抱き付いてくる。すぐさま獄寺に噛み付かれる光景も、何だか久しぶりだ。

一方で、

「ランボ!せっかくだから、お前も少しは飲んでも良いだろう!」
「え、良いんですか?じゃあ……」
「ちょっ…ちょっとストップ!」

少し目を離せば、すでに酔いが回っているのか上機嫌な笹川了平が、まだ十代のランボに酒を勧めようとしている。ツナは、慌てて待ったをかけた。

「お兄さん、ランボはまだ未成年ですから!ランボ、お前も駄目だろ!」
「おお、すまんな!はははっ!」
「うぅ…がまん……」

了平は豪快に笑うだけでちゃんと分かっているのか怪しいし、ランボも残念そうなので、放っておくとまた同じことをしかねない。厳重に注意しなければ。

さらに、

「全く、何で僕がこんな群れの中にいなきゃならないの」
「それはこちらの台詞です。僕だって、君の顔を見ながら酒を飲むなんて本当は嫌なんですから」

ぶつぶつ文句を言いながら日本酒を煽るのは、犬猿の仲である雲雀恭弥と六道骸だ。

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