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□Boundary line
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(う、そ…うそっ……!)

やがて車のドアが閉まり、ゆっくりと走りだして……ツナはようやく、自分がとんでもない状況にいるということを知ったのだった。


それから、どのくらい走っただろうか。ツナはただ、小さくなってガタガタと震えることしかできなかった。

やがて、車が止まると乱暴に外へ連れ出されて……何かの建物の中まできて、ようやく目隠しを外されたのだった。
見渡すと、そこはどこかの古びた建物の中のようで。

だがそれよりも、

「っ……!」

ツナは、目の前にいる複数の人間を見て戦慄したのだった。
それは、大柄な身体を黒のスーツに包んだ三人の男達で。それも、刈り上げた髪や彫りが深く厳めしい顔立ちの、浅黒い肌の色をした……明らかに外国人だったのだ。

そんな男達に囲まれ見下ろされて、ツナは恐怖で竦み上がってしまってしまう。

『はは、すっかり怯えてんぜ』
『噂以上に可愛いじゃねぇか』
『ああ、売ったら高い値が付きそうだな』
「………!」

恐らくは英語なのだろうが、何を言っているのか分からないツナは、ただ恐怖だけが募っていく。

(この人達、いったい…俺、どうなっちゃうの……?)

まだ、状況が完全に理解できていないツナは知らないだろう。男達のツナを見る目が酷くいやらしくて、独特の熱を孕んでいることに。

『で、どうする?』
『アジトへ連れていく前に、味見くらいしても良いだろ』
『そうだな、コイツなら楽しめそうだ』

そこで、リーダー格らしき男がツナを舐めるように見下ろして、

『こんな上玉、滅多に頂けねぇからな』

それが、始まりの合図だった。

「っ、ひ…ぃゃっ……!」

一気に複数の手が身体に伸ばされて、ツナの恐怖は最高潮に達する。言葉の通じない、それも明らかに普通の人間でない男達が迫ってきたのだから無理もない。

その頃には、ようやく“誘拐”や“拉致”という言葉が浮かんで。だが、これからいったい何をされるのか…もしかしたら、殺されてしまうのでは……そう考えると、もう堪らなかった。

「やだっ、やだやだぁっ……!」
『チッ、暴れられると面倒だな……やっぱり縛るか?』

パニックになって暴れ始めるツナに、舌打ちした男が紐のような物を取り出す。

すると、

『まぁ待て。それなら良いモノがあるぜ』

別の男がそう言って、懐から何かを取り出した。それは、小さな瓶に何かの液体が入った物で。

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