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□Secret knights
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そこにいたのは、こちらもすらりとした長身に整った顔立ちの青年だった。輝く金色の髪に、透き通るような青い瞳。きりりと引き締まった表情は、女の子なら誰でもうっとりとするだろう。
「あ、ありがとう……」
「おう」
コロネロと呼ばれた青年に助けられたツナは、だが顔を真っ赤にして慌てて彼から離れた。まともに顔を見ることもできないで。
実は、このコロネロという男もツナのクラスメイトであり、ルームメイトでもある。彼はリボーンと違って真面目で、ツナがセクハラをされていると、今のように助けてくれるのだ。
だが、
(うぅ…この男前どもめ……!)
いかんせん、コロネロもとんでもないイケメンで。側にいるだけで、少し密着するだけで、ツナは胸がドキドキしてしまう。
そして、
「チッ…イイところで邪魔してんじゃねーぞ」
「それはこっちの台詞だコラ!この節操なしのスケベ野郎が!」
「やるか?あ?」
「上等だコラ!」
「ややややめてぇっ!皆が見てるからぁっ!」
この二人、入学した当初からとても仲が悪いため、良く衝突……どころか本気の殺し合いになることも珍しくなくて……ツナは、いつも必死で止める役をしている。
こうして、ツナは何をやってもダメダメな上に、こんな超絶美形に挟まれているせいで、何事も満足に行うことができないのだった。
***
そうして、やはり今回のテストもぼろぼろで、さらにその後にあった訓練でも転んだりドジをしたり力尽きたりしたツナは……全てが終わった後、地面にぐったりと沈み込んでいた。身体は擦り傷だらけで、取り分け派手に転んだ時に付いた足の傷がじくじくと痛む。
(ああ…俺、これからもこの学校にいて大丈夫なのかなぁ……)
何故、勉強も運動もダメダメなツナが、こんな軍人養成所にいるのか……それには、とある訳があった。
それは、
(……というか、こんな俺が将来この国のトップに立つかもしれないなんて……)
実は、ツナはこのボンゴレ王国国王の嫡男であり、王位第一継承者なのだ。もちろん、極秘事項ではあるが。
そんな存在であるツナがここにいるのは、将来国のトップになるための勉学と修練……そして、この国に限ってそんなことはないとは思うが、暗殺などを企てる人間、危険から遠ざけるため。
つまり、ほんの一部の人間しか、ツナの正体やこの学園に通っていることを知らないのだ。
(でも…国民の皆は、王様がこんなにダメダメじゃ、がっかりするよね……それどころか、反乱が起きちゃうかも……)