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□Secret knights
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抱き付いてきたのは、すらりとした長身に、細身だがしなやか筋肉の付いた、かなりの男前だった。漆黒の髪に切れ長の瞳、誰もが見惚れるような整った顔立ちをしている。
だが、それどころじゃないツナは必死でその男を振りほどこうとした。
「頼むから、離せって!」
「だから昨日、俺が勉強を教えてやるって言っただろうが」
「なぁっ…!?お前、そんなこと言って全然真剣に見てくれなかったじゃんか!あ、あんなことして…!」
何かを思い出したのか、ツナはかぁぁと頬を赤くする。
ツナは、今年からこの第一士官学校に通い始めた生徒の一人だ。そして今日は、今までの授業の確認テストがある日なのだ。
だが、学力は壊滅的に悪くて、何故この学校に入学できたのかと誰もが疑問に思うほどの実力を持つツナにとって、テストだなんてとんでもないことで。
昨日から必死になって勉強しようとしたのだが、全くどうにもならなくて。
その原因は、いくつかある。
一つは、
「……へぇ?あんなことって、どんなことだよ」
「っ、ぁっ…!?ちょ、ちょちょちょ…!」
リボーンと呼ばれた男は意味ありげに笑うと、抱き締めた手を身体に這わせて、ツナの胸や腰を撫で回してきた。その手つきが何だかいやらしくて、ツナは焦ったように抵抗する。
全寮制のこの学園で、このリボーンという男はクラスメイトであり、ツナのルームメイトでもあった。そして、このルームメイトが厄介な奴で、
「ちょっ、と…!どこ触っ……!」
「ただのスキンシップだろ」
「っ、ひ……!」
足の付け根や尻など際どい所を撫でられて、ツナは小さく悲鳴を上げる。
そう、この無駄に男前な男は、ことあるごとにツナの身体に触れたり、キスしようとするセクハラ男なのだ。昨日も、勉強を教えてやると言いながらベタベタと触れてくるので、抵抗するのに必死だったツナは全く勉強できなかった。
しかもリボーンはというと、成績も首席レベルで勉強をする必要もなく……全く、世の中は不合理であるとツナは思う。
しかも、厄介なのはこの男だけではない。
「もっ…ほんとに、やめっ…!」
ぞくぞくと何かが走り抜けるような感覚に、いよいよツナが焦り始めた時、
「リボーン!てめぇはまた…!」
「っ、ぁ……!」
不意に、何か強い力に引っ張られたと思ったら、別の暖かいモノに抱き締められて……ツナは、どきりと心臓を跳ねさせた。
そこには、
「こ、コロネロ……!」
「大丈夫か、コラ」