Main2

□Secret knights
1ページ/12ページ



ボンゴレ王国……あまり領土は大きくないが、美しい自然の溢れる豊かな国だ。

現在の国王も九代目というまだ歴史も浅い国だが、代々穏やかな性格を持ち民のことを第一に考える国王ばかりで、国民からの信頼も厚くこれまで平和な国を築いてきた。

そして小さな国にも関わらず、ボンゴレは今まで他国からの侵入は免れている。それは、国家が強力な軍隊を持っているからだ。
王に仕え民を守る屈強な兵士達が、日々肉体を鍛え国の内外を固めているからこそ、他国はそう易々と侵入することができないのだ。

軍に所属する者達は自国を愛し、王に、民に命を捧げることに誇りを持っていた。

だから、小さな頃から軍人になることを夢見る者達は、義務教育を終えると兵士に志願する。彼らは皆、国内にいくつかある士官学校へと入学するのだ。

それはここ―――“王立第一国軍士官学校”もその一つで。十代半ばの少年から青年にいたるまでの人間が、兵法、肉体訓練……軍人になるためのあらゆることを学び、そして心身ともに鍛え上げる全寮性の学校だ。
それも他の士官学校とは違い、ここは軍の上層部に位置する将校クラス、特殊戦闘部隊員など、いわゆるエリートを育てる場所だった。ここで数年間学び、最終試験に合格した者だけが、国の中枢を担う軍人になることができるのだ。

そんな、入学した時から一癖も二癖もあり、強者揃いの生徒達の中で、

「……ひぃぃ分かんないよぉぉっ…!」

広大な敷地に巨大な校舎、多くの施設を備えた学校。校舎の中にたくさん並ぶ講義室の一つで、一つの机の前に座って、

「わぁぁん間に合わないぃっ!」

一人の少年が、たくさんの本を前に悲鳴を上げていた。
歳はまだ十代半ばくらいだろうか。ハニーブラウンの髪に大きな瞳、小柄で細い体付きをしている。

軍人らしく、多くの生徒がすでにがっしりとした体格をしている中で、その少年だけが浮いていた。
勉強をしているのだろうが、その表情は絶望的で、今にも泣きそうになっている。

そこへ、

「……ダメツナが、今さら何をやっても無駄だろう」
「わぁっ…!?」

必死で机にかじり付いていると、不意にそんな声が聞こえた。同時に誰かに抱き締められて、ダメツナと呼ばれた少年……ツナは、驚いて飛び上がる。

「り、リボーンっ!?ちょっと、邪魔しないでくれよっ…!」
「だから諦めろって言ってるんだ。今から勉強したって意味ねぇ」
「う、ううううるさいなぁっ…!」

次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ