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□Fourth education
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さらに、ツナ達が乗った駅からも多くの乗客が乗り込んだので……波に流されるようにして、中へと押し込まれたのだ。

「むぎゅ、ぅ……!」
「っ、と……大丈夫か?ツナ」
「ぇ……っ…う、うん……」

前後左右から押し潰されて、妙な声を上げるツナを引っ張る力強い腕。少し呼吸が楽になったと思ったら、暖かいモノに包まれていて……ツナは、どきりと心臓を跳ねさせた。
何とか、ドア付近の僅かな隙間に入り込むことができたものの……ツナは、家光に後ろから抱き締められるようにして立っていたのだ。

前はドア、後ろは家光が他の乗客から守ってくれているのだが……背中に触れるたくましい胸板と体温、鼻をくすぐる父親の匂いに……心臓が激しく脈打ち始める。

(だ…だめ……!)

今まで何ともなかったのに……一気に距離が近くなって、身体が密着すると、ツナはもう駄目だった。

「……ツナ?大丈夫か?」
「っ、だいじょう…ぶ……」

耳元で囁かれて、びくりと肩を跳ねさせてしまう。こんな所で妙な気持ちになるなんて絶対に駄目なのに、一度意識してしまうと止まらない。

(早く…駅に着いて……!)

すでに耳まで真っ赤にしたツナは、うつむいてひたすらそればかりを願っていた。

すると、

「っ……?」

不意に、半ば抱き締めるように前へ回されていた手がゆっくりと動き出した。上半身を、撫でるかのように。

(ぇ…ぇ……?)

突然のことに、その不自然な手の動きに、ツナは戸惑ってしまう。父親の顔を見ようとして、だがこんな状態では振り返ることができないので、

「と、父さん…?なに……」

ただ小さな声でそれだけを尋ねた。だが、家光からは返事がない。

訳が分からなくて、ツナが不安を募らせていると、

「っ……!」

片方の手が下に下ろされたと思ったら、後ろに回って小さな尻に触れてきた。今度こそ、ツナは驚いて飛び上がってしまう。

(な、何やって……!)

何故、いきなりそんなことをするのか分からない。こんな所でそんな部分を触られて、ツナは焦るばかりだ。

その時、

「ツナ」
「ぁ……!」

家光が再び耳元で囁いた瞬間、ツナはびくりと身体を強ばらせた。何故なら、家光がさらに強く抱き締めるように身体を密着させてきて……後ろに、彼の下半身を押しあてられたからだ。
たとえ熱をもっていなくても、意識的にそこを押し付けられた意味はツナにも分かる。

「と、父さ…な、なんで……」
「いや、今日は何もしないつもりだったんだが……ツナがあまりにも可愛くて、な」
「っ、ん……!」

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