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□Fourth education
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「―――ツナ。明日、父さんと出掛けようか」
「え?」
休日の前夜。居候のチビ達が先に寝て、リビングでテレビを見ながら親子の団欒をしていた時。
自分もそろそろ寝ようかなと思っていたツナは、突然そんなことを言われ、驚いて父親……家光を見た。家光はにっかりと笑って、
「明日は休みだろ?電車でショッピングセンターにでも行こう。美味いもん食って、好きな物も買ってやるぞ」
「まぁ、貴方ったらそんなに甘やかして。ツッ君たら、いつもゲームばっかりしてるのよ」
食卓を拭いていた奈々が呆れたように言うが、家光は豪快に笑ったままだ。
ツナは、まだ驚いた状態で何も言えないでいた。
「いや、最近は一生懸命勉強もしてるらしいし、チビ達の面倒も良く見るんだろう?たまには、お兄ちゃんにもご褒美が必要だからな」
「まぁ、そうねぇ」
「それに、俺はいつも仕事で家を空けるし……家にいる時くらい、父親らしいことをしないとな」
「っ……!」
その豪快な笑いが、ふと優しげな、穏やかなものに変わって……ツナは慌ててうつむいた。頬が熱くなりそうになったので、焦って気を紛らわそうとする。
「そうねぇ……じゃあツッ君、明日は父さんと楽しんでらっしゃい」
「決まりだな、ツナ」
「う、うん……」
家光の最後の言葉が効いたのか、少し感動したらしい奈々からお許しが出る。
ツナはというと、
(と、父さんと出掛けるなんて…俺、どうしよう……)
好きな物、欲しかったゲームを買ってもらえる。美味しいものも食べられて、それはすごく嬉しい。
だが、
「っ……!」
それよりも、ツナは不自然なほど胸をドキドキとさせていた。
少し前から、ツナは実の父親である家光と、人には言えないような行為を繰り返していた。親子で、それも同性であるにも関わらず肌をさらし、身体を重ねて……互いの性器をしゃぶり、身を深く繋げるのだ。
家に誰もいない時、二人きりの部屋で、リビングで……最近では夜に家族が寝静まった後、他の部屋に誰かがいるのに……ツナに声を我慢させて、家光は強引に身体を求めてくる。ツナも最初は嫌がりつつ、結局は受け入れてしまって……二人で危険で甘美な快楽を求めてしまうのだ。
そして近頃のツナは、家光が側にいるだけで、家光のことを考えるだけで胸がドキドキして、身体が熱くなって。
(大丈夫、かな……)
出掛けるのは素直に嬉しい。だが、父親と二人きりで大丈夫なのだろうか。