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□One side
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獄寺隼人は、普段なら人を射殺しそうなほど鋭い目を輝かせて、心臓をドキドキと高鳴らせていた。

「帰ろう」
「はいっ!」

(十代目、今日も凛々しいっす……!)

隣にいる、自分よりも小柄だが大人びた、凛とした表情の少年……沢田綱吉を見て。

「今日も……寄っていっても良いか?」
「も、もちろんです!」

うかがうように、少し上目遣いになるツナに、獄寺はうっかり鼻を押さえそうになりながらもすぐに返答する。

(今日も、十代目が俺の家に……!)

返答を聞いて「ありがとう」と僅かに表情を綻ばせるツナに、彼は鼻どころかあらぬ場所まで熱くさせそうになったのだった。


獄寺は、クラスメイトのツナと付き合っている。クラスメイトといっても、ツナは実はイタリアの巨大マフィア、ボンゴレファミリーの十代目候補者で……獄寺はその守護者として、イタリアからやってきたのだ。
まだ中学生だというのに冷静で大人びた雰囲気、そして意志の強い瞳……初めて出会った時から、獄寺は彼を自分のボスとして慕ってきた。

その、部下としての敬愛の感情が、もっと別のものに変化していくことに、あまり時間はかからなかった。毅然としているが他人には優しく暖かくて、そしてしばしば見せる穏やかな笑みに……獄寺は、恋をしてしまったのだ。

そして、その想いが我慢できなくなり、当たって砕ける気持ちで告白すると……驚くことに、ツナからは了承の言葉が返ってきて。

それから晴れて付き合うことになり、獄寺は天にも昇るような嬉しさだった。そして誓ったのだ。部下としても恋人としても、彼の方に己の全てを捧げよう、と。

だが、

「ツナ、獄寺!下まで一緒に行こうぜー!」

教室を出ようとすると、同じくクラスメイトであり、やはり同じくツナの守護者である山本が、屈託のない笑顔でやってきた。これから部活へ行くらしい。

「ああ、行こうか」

邪魔すんな!と獄寺は思ったが、ツナは親友なので断る理由もなく承諾をする。結局、三人で教室を出ることになった。

廊下を歩きながら、獄寺は少し浮かない顔をする。

ツナが山本と親しくするのが嫌な訳では(そりゃ少しは思っているが)ない。本当は独り占めしたいし、自分以外の人間と親密になってほしくはないが……これからマフィアのボスになるツナに、それは無理な話だから。

それよりも、獄寺はツナが家に来た時のことを考えていた。

(今日も、勉強するだけなんだろうか……)

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