Main2

□Princess and gale
4ページ/8ページ



目を輝かせてそう言うと、嬉しそうに頬張り始める。

そんなツナを、Gはどこか穏やかな表情で眺めた。彼には、頬を膨らませて懸命に食べるツナが、ハムスターか何かのように見えているのかもしれない。

(Gさんって、凄い人なんだなぁ……ちょっと変わってる所もあるかもしれないけど、ちゃんと常識があって)

何せあのジョットの相棒をしているのだから……と、ツナはむしろ尊敬の念を抱き始めていた。

その時、

「……おい、ツナヨシ」
「ふ、ぇ……?」

上機嫌で食べていると、不意にGに呼ばれて、顎を掬い上げられた。その顔が近付いてきて、ん?と不思議に思った瞬間、

「っ……!?」

端正な顔が目の前いっぱいに広がったかと思うと、唇のすぐ隣に生暖かいものが触れた。思考が一瞬でフリーズして、危うく喉を詰めそうになる。

「んっ……!」

そして、その何かに口元を撫でられGの顔が離れたことで初めて……それが彼の舌で、舐められたということが分かった。

「口に付いていたぞ」
「っ……!」

恐らくソースか何かだろうが、問題はそこではなく。

(ぜぜぜ前言撤回っ…やっぱりこの人もジョットと同じだ……!)

何故、Gにしてもジョットにしても、わざわざ舌で舐め取るんだ!と……何でもないような様子のGに、ツナは真っ赤になりながら、心の中で盛大に突っ込みを入れたのだった。


***


前回ジョットが不在の時は、ゴロゴロしたりうとうとしたり、バルコニーからぼーっと景色を眺めたりしていたのだが……今日はGがいるので、ツナは彼といろんな話をした。
いつもは怖い顔でジョットを叱っているので、怖い人かと思っていたが……クールであまり喋らないが、本当は優しくて……この数時間の間に、ツナはすっかり彼に懐いていた。

Gからはジョットのこと、他の守護者達のことを聞いて、ツナも自分の仲間達のことを話した。

「――それで、その時に俺の友達が、そんなことになって」
「ふ……そうか」
「っ……!」

少し興奮したように話すツナを、Gは静かな表情で聞いていて……そして、ふと見せる穏やかな笑みに……ツナは何度も頬を染めていた。
黙っていても格好良いのに、微かに笑うとさらにイケメン度が増して……直視することができなくなるのだ。

(だから、何で初代のメンバーってイケメンばっかりなんだよ…!というか、俺の仲間も……)

自分のいる時代の、周りの人間も男前ばっかりだし……と、少し拗ねかけたツナだったが、

(………?)

次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ