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□Princess and gale
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さらには、テーブルの皿の上にあった美味しそうなパニーニの一つを、口元へ近付けられていて……ジョットがいつもやりたがる“あーん”というやつだ。
「あ、あのっ…本当に俺、自分で…」
「ジョットに、食事の時は膝の上に乗せて、手で食べさせるように言われたんだ」
「ぇぇぇぇぇっ!?」
(な、何言っちゃってんのジョットぉぉっ…!?)
というか、この人もそれをあっさり納得しちゃって良いの!?と、ツナは突っ込み所が多すぎて口には出せなかった。
そもそも、ツナはGとあまり話したことがないのだ。ジョットが、ツナを誰かの目に触れさせたくなくて、この部屋から出ることを許してくれないから。
だから、守護者以外のボンゴレの人間とは、顔を合わせたこともない。
ジョットに聞いた話によると、Gは彼の幼なじみで、ボンゴレの元になる自警団を作った頃からの相棒らしい。あまり他の男の話を聞くと、機嫌の悪くなったジョットにお仕置きされるので詳しくは聞いていないのだが。
Gは、仕事の時はほぼジョットと一緒に行動をして、それ以外にも……ずっとツナと引っ付いていたがるジョットに仕事をさせたり、たまに身の回りの世話もしている。
そして、他の人間は入ることができないこの部屋に、彼だけが出入りすることを許されていて……口には出さなくても、お互いを心から信頼していることが、ツナにも良く分かった。
それは分かったのだが、
「ほら」
「っ……!」
やはり見惚れるような、クールな表情で食べ物を差し出してくるGに、
(いや、でもこれはおかしいだろ!)
と、ツナは思ってしまう。
だが、こんな端正な顔にじっと見つめられると、
「……ん、む……」
結局、大人しく口を開けて、それに噛り着いたのだった。お腹が空いていたのは確かだったから。
「むぐ……おいしぃ、です」
「そうか。それは作った甲斐があった」
「ん、ぇっ……?」
口をむぐむぐさせていたツナは、その言葉に驚いたように顔を上げる。ちゃんとごっくんをしてから、
「これ……Gさんが作ったんですか?」
「ああ」
「っ、わぁぁ……!」
具だくさんで、トマトソースとチーズが美味しい焼きたてのパニーニ。テーブルには、他にもサラダやスープ、デザートにプリンもあって……料理など何もできないツナは感激した。食べさせられていたパニーニを自分の手に持って、
「こんなに美味しいものが作れるなんて、すごいです!」
「そうか?」
「はいっ!」