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□Princess and gale
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『ツナヨシ…!明日俺はどうしても外せない用があって出掛けなければならない…ツナヨシと一緒にいることができないなんてどうにかなってしまいそうだ、そもそも何故こんなに愛しいお前を置いていかなければならな』
『むぎゅぅぅぅ…!』
「………」
窒息するほど抱き締められ、ずっと頬擦りをされていたことを思い出して、ツナは少し遠い目になる。
(それで、その後……)
ひとしきりツナに愛を囁いたジョットは、こう続けたのだった。
『俺が留守の間、ツナヨシのことはGに任せているからな。……この間みたいなことがないように』
それはジョットがいない隙に、他の守護者であるアラウディやデイモンが、ツナの部屋に忍び込みあんなことやそんなことをした時のことを言っているようで……その時の、ジョットの般若のような顔を思い出して、ツナは背筋を震わせた。
すると、
「……そういう訳だから、早く来い」
「ぇ……?」
「朝飯を用意している」
「ぁ…ま、待って下さい……!」
それだけ言って踵を返すGに、ツナは慌ててベッドから降りると追い掛けた。
だが、
「わぁっ!?」
まだ身体が完全に起きていなかったのか、それともジョットに散々可愛がられたせいか……足に力が入らなくて、ツナは大きく前へつんのめってしまう。
(ぎゃーっ!)
そして、襲ってくるであろう衝撃に目をキツくつむった瞬間、
「っ……!」
「……全く」
「ぁ……!」
身体がふわりと浮いて、何か暖かいものに包まれた。同時に、微かな煙草の香り。
「っ……!」
目を開けると……ツナは、Gにしっかりと抱き留められていて。目の前にある、誰もが見惚れるような端正な顔に……頬に、熱が一気に集まった。
さらに、
「っ、ぇ…ぇっ……?」
何故かそこで、お姫様抱っこをされて……そのまま寝室から出ようとする。ツナは、焦ったように声を上げた。
「あ、ああああのっ…ひ、一人で歩けます……!」
「お前は危なっかしすぎる。良いから大人しくしてろ」
「っ……!」
じっと見つめられて、一瞬でぽーっとなってしまうツナ。
結局、何も言えずに……横抱きにされたまま、大人しく連れていかれたのだった。
***
そして。
(ひ、ひぇぇ……!)
ふかふかの高級なソファーの上で、ツナは内心悲鳴を上げていた。
何故なら、
「ほら、食え」
「っっ……!」
ツナは直接ソファーには座らず、腰を掛けるGの膝の上に乗せられていたからだ。