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□A start
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(らしくもねぇ……)

内心自嘲するように笑うと、スクアーロはさらに足を速める。

どうせ、明日にはイタリアへ帰るのだ。日本の、歳の離れた子どものことを考える自分が馬鹿馬鹿しい……と、自分の中で渦巻く良く分からない感情を、無理やり追い払おうとして。

その時、

「――っ!―――!」

ある建物の横を通り過ぎようとすると、近くの路地から何かが聞こえた。それは、くぐもった悲鳴のような声と、複数の笑い声で。

どうせカツアゲか何かだろう……と、いつものスクアーロならそのまま通り過ぎただろう。

なのに何故、今日に限ってそちらに意識を向けたのか。普段なら、絶対に気にも留めないのに。

「……っ!」

何となくそちらに視線を向けて……スクアーロは固まってしまった。足が止まって、目が大きく見開かれる。

(な……)

路地の奥には、複数の人間がいた。制服をだらしなく着崩した、どこかの中学生だろう。

そして、その男子生徒達に囲まれ、押し倒されている小柄な少年が一人。カッターシャツの前は引きちぎられて、ボタンが弾け飛んでしまっている。
下に至っては、スラックスも下着も足下までずり下ろされていた。

そしてその男達は、露になった白い肌に、幼い器官に群がっている。ある者は未熟な性器を扱き、また複数の手が全身を這い回って……自らの性器を取り出して、握らせようとしている者もいた。

そして、少年の足下にいる一人は、足を上げさせ後ろの孔に指を突き立てて、好き勝手にナカを掻き回していたのだ。

だがスクアーロにとって、それはまだ大した問題ではなかった。裏の世界に生きていれば、こんな光景は珍しくもない。

問題は、

「んんっ、ん゛―――っ!」

複数の男達の下で嬲られている少年が、良く知っている人物だったことだ。知っているなんてものじゃない。

薄茶色の髪に大きな瞳、小さく華奢な体付きのその少年は、スクアーロがつい先ほどまで心を掻き乱されていた人物……沢田綱吉で。

大きな瞳は涙で濡れ、小さな口にはタオルのような物を詰め込まれているのか、くぐもった悲鳴しか出せない。がむしゃらに手足をばたつかせて抵抗するも、自分よりも体格の大きい、それも複数の人間に押さえられていては、全く意味が無った。

「ほらぁ、暴れんなって。お前も気持ち良いだろ?」
「ん゛んんぅっ……!」

いやらしく尋ねられ激しく自身を抜かれて、ツナは涙を流しながら必死に首を振る。

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