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□Wild beasts
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強引にシャツを捲り上げられ、肌に吸い付かれて……その熱い吐息に、ツナはぞくりと身体を震わせながら、焦りのようなものを感じ始める。

(だ、め……!)

分かっているからだ。自分の身体が、一度強い快感を与えられると、何も抵抗できなくなってしまうことを。

だから、今止めさせなければ。

「っ……!」

肌に舌を這わせながら、ザンザスの手がハーフパンツに伸ばされそうになって、

「っっっ……駄目だってぇぇっ…!」

その時、激しくばたつかせた足が大きく横に飛び出して、

ベッドの隅にあった、あるモノを蹴飛ばした。

ドカンッ!

「わぁっ…!?」

それが何か分かる前に、凄まじい衝撃が二人を襲う。一瞬で部屋中に白い煙が溢れて、前が見えなくなってしまった。

「っ、げほっ…!い、いったい、なに……!」

ようやく辺りが見えるようになった頃、

「っ……!」

ツナは、刺すような視線と鋭い殺気を感じて、びくりと身体を強ばらせた。

恐る恐る視線を上げれば、目の前にいるのは、先ほどと変わらず怖いくらいの無表情をしたザンザス。

そして、

「っ、ぇ……!?」

その隣に、もう一人の男。ザンザスよりも年齢が上に見えるが、漆黒の髪に鋭い赤い瞳と顔立ち、服装は同じで……違うといえば、髪が少しだけ長いのと、さらに凄味が増しているところか。

(ま、まさか……!)

ちらりとベッドの隅を見ると、そこには居候のランボが置いていた、十年バズーカが転がっていた。どうやら、先ほどツナが蹴飛ばしたのはこれらしい。

もしかしなくても、その男は、

「じ、十年後の…ザンザス……?」
「「あ゙?」」
「ひぃっ…!」

ぽつりと呟きを漏らしたら、二人分のドスの効いた声が返ってきて、ツナは情けない悲鳴を上げた。やはり、この男は十年後のザンザスらしい。

だが、

(何で現代と未来のザンザスが一緒にいるの!?何で入れ替わってないの!?)

恐らく、思いきり蹴飛ばしたためバズーカが壊れてしまったようだが……ザンザス一人だけでもかなりの迫力なのに、二人もいるとその重圧感は半端なくて……ツナはたじたじと後退った。

すると、二人のザンザスは半裸の状態でパニックを起こしているツナをちらりと一瞥して(何を考えているのかは全く分からないが)、その後お互いをじろりと睨み付けて、

「「……カッ消す」」
「ってちょっと待ったぁぁっ…!」

嫌な予感がした瞬間、二人が同時に銃を取り出しついでに憤怒の炎まで燃やしそうになったので、ツナは慌てて止めに入ったのだった。

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