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□Little rabbit!
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指定された時間のギリギリに、転がり込むように登校してくれば、雲雀はすでに応接室にいて風紀委員の仕事をしていた。ちらりとツナを見てそれだけ言うと、また書類に視線を落とす。
乱れた呼吸を落ち着けながら、ツナは邪魔にならないように応接室の掃除を始めた。
(でも、これって…ただのお手伝い、だよね……)
床を箒で掃きながら、こっそりと雲雀を盗み見る。最強の風紀委員長は、ツナの存在を気にしないかのように、ただ淡々と仕事をしていた。
「……何?」
「ぇっ…な、何でもないです……!」
視線を感じたのか、書類から目を離さず尋ねてくる雲雀に、ツナは慌ててそう返事をすると、掃除に専念したのだった。
そう、どんな仕打ちが待っているのかと身構えていたのだが、その処罰はかなり意外なものだった。
まず早朝に登校して、一番最初にすることは応接室の掃除。それが終われば、雲雀が作成した書類をホッチキスでパッチンしたり、それを教員へ持っていったり……または、雲雀にお茶をくんだり、たまに肩を揉んだり……。
お手伝いというか、ただの使いっぱしりのようなもので。
そしてそれは、放課後の居残りでも同じだった。
「………」
「………」
放課後。ツナは応接室のソファーに座って、目の前に広げた宿題と格闘していた。雲雀が仕事をしているすぐ側で。
この時間も、することは朝と似たようなもので、まず宿題を終わらせるように言われる。それが終われば、雲雀のお手伝いをしたり一緒にお茶をしたりと、どこかまったりとした時間を過ごすのだ。
かと思えば、雲雀が校内や校外を見回りに出る日などは、特に何もせず家に帰されたりする。
(……てっきり、この間みたいなことされちゃうのかと思ってたけど……)
数日前のことを思い出して、ツナは少し頬を染めた。
罰というのは、あの時のように抱かれ(襲ったのはツナの方だが)いやらしいお仕置きをされるのだと想像していたツナは、ホッとしつつも……少し残念な気分になっていた。
正直、まだ身体の疼きは治まらないし、近くに雲雀がいるとムラムラしてしまうのだが……と、本当に身体が熱くなりそうになって、ツナは慌てて首を振る。もうこの間のような、みっともない姿を見られたくないのだ。
(それに……)
他の生徒の三倍くらいの時間をかけて宿題を終わらせ、先ほど草壁が入れてくれたお茶を飲みながら、ツナはちらりと雲雀を見る。