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□小鳥
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だからこそ、この王に仕えることが誇りだった。この主の手となり足となり、命を捧げようと誓ったのだ。

それなのに……主の絶対の信頼を得ていたはずの自分が、無様にも敵の手に堕ち、己どころか国王の名まで汚してしまった。しかも、聞けば綱吉が母国に帰れたのは、捕虜を解放する代わりに身柄を引き渡すという、敵国との取り引きがあったためらしい。

王国の格を下げ、主に恥をかかせた上に、戦争を不利な状況にしてしまった。もう自分は、本来なら主に合間見える資格すらないのだ。

「その上……」
「っ……!」

ようやく鞭での折檻が終わわると、ボロボロになったシャツをつかまれ、前を引きちぎられた。

ぼろ布になった衣服が床に落ちて、細い上半身が露になる。それを見た瞬間、ジョットが整った眉を寄せた。

綱吉の肌には、鞭で打たれて付いた傷の他に、赤い鬱血の跡がたくさん散りばめられていたのだ。陽に焼けず白い肌に良く映えるそれは、敵国で男達に残されたキスマークで……それを見られた綱吉は、サッと顔を青ざめさせた。

「こ、れは……!」
「汚らわしい……捕らえられた挙げ句、娼婦のように扱われるとは」
「っ……!」

汚らわしいという言葉に、目の前が真っ暗になるのを感じる。
軍人として、男としての矜持も何もかも踏み躙られる行為を受け、いっそのこと死んだ方がマシだと思った。それを敬愛する主にも言われ、今すぐに消えてしまいたい衝動に駆られたのだ。

「女のような身体だ」
「っ、そんなっ……っ、ぁっ…!」

赤い跡を確かめるようになぞっていた指が胸の突起に触れた瞬間、綱吉は思わず高い声を上げて、身体を跳ねさせた。しまったと思った時にはもう遅く、もう一度強く頬を張られてしまう。

「ぅ、っ……!」
「……胸で感じるとは、本物の女に成り下がったか」
「ち、ちが…っ、ぅ…ぁっ……!」

蔑むような眼差しのジョットに強く乳首を捻られ、背中が大きく仰け反った。だが、痛みと同時に感じるのは、やはり快感で。

「んっ…く……!」
「お前が胸だけで感じる淫乱とは知らなかった」
「ぁっ…ち、が…っ、おやめ、くださ……!」

自分は淫乱などではない……そう言いたいのに、ぐりぐりと乳首を捻られ走るおかしな感覚に、言葉を紡ぐことができない。敵に散々嬲られたそこは、酷く敏感になってしまっていた。

「あちらでも、そうやってはしたなく喘いでいたのか」
「っ、ぁ…陛…下……!」
「それとも、命欲しさにお前から敵兵どもを誘ったのではあるまいな?」
「っ、違います…!私は、そんなっ……!」

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