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□Snow white
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「―――初めまして。君が綱吉クン?」

第一印象は、ただ真っ白だと思った。

雪のように白い髪、外国の血を引いているのか、男にしては少し色の白い肌。

「僕は白蘭。今日から君のお兄さんだよ」

薄紫がかった色の目を細めて、にっこりと笑いかけてくる。

「僕のことは好きに呼んで良いから。これからよろしくね……ツナちゃん♪」

大切なものを失って居場所のない自分に、手を差し伸べてくる存在。

「……は、ぃ…白蘭…義兄、さま……」

自分は、その手を取った。


***


放課後。終礼を終えたツナは、教室の隅にある自分の机で帰り支度をしていた。

他の生徒達で騒がしい中、支度を済ませさっさと教室を出ようとすると、

「ツーナ」
「っ……!」

背後から声を掛けられて、びくりと肩が揺れた。
振り返れば、そこにはクラスメイトの一人が立っていて。

ツナは、その生徒に少し怯えたような目を向けた。

「な、なに……?」
「俺、今日部活ねーんだ。一緒に帰らないか?」
「ぇ……」

意外なクラスメイトの言葉に、ツナは驚いて目を見開く。

だが、

「ぁ…俺……迎えの車があるから……ごめん」
「あっ、おいツナっ…?」

慌てて視線をそらしそう言うと、引き止めようとする言葉も聞かずに教室を飛び出した。

「っ……!」

不安と緊張に、鼓動を速めながら。


***


小走りで校舎を出て校門を潜れば、門の前には一台の高級車が停まっていた。ツナは少し緊張した面持ちで、その車に近付いていく。

車の側に立っていた運転手らしき男がツナに気付いて、恭しく後部座席のドアを開けた。

「どうぞ、綱吉様」
「ぁ…ありがとぅ、ございます……」

促されるまま車内に乗り込むと、ほどなくして車が滑るように走りだす。

「………」

ほとんど衝撃のない車内の、高級なシートに小さくなりながら、ツナはこっそりとため息を吐いた。


ツナの家は、日本はもちろん世界にも名の知れた巨大企業だ。ツナの父親が、会社のトップにあたる。

だが、ツナはグループの正統な跡取りではなかった。父親……総帥は実の父親なのだが、正妻の子どもは別にいる。

ツナは、愛人の子どもなのだ。


「お帰りなさいませ、綱吉様」

毎日生活をしているはずなのに、少しも慣れることのない住まい。

高級住宅街にある、他の家とは比べ物にならないくらい大きく、豪華な屋敷。

同じく豪奢なドアを開けてもらって中へ入ると、玄関にいた多くの使用人が、ツナを見て一斉に頭を下げた。

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