Main2

□Bittersweet
3ページ/9ページ



(本当に、変態ばっかりで良かった)

心の中でそう罵りながら、ツナはさも嬉しそうな顔をして、男の身体にぴったりと寄り添っていた。


***


男に連れてこられたのは、ツナも何度か入ったことのあるホテルだった。

部屋に入ると、男はすぐにツナの腰から腕を離して、ベッドへどっかりと腰を落とした。
そして、どうして良いか分からずその場に立ち尽くしているツナに、切れ長の瞳を向ける。

「何をぼんやりしている」
「え……」
「お前から誘ってきたんだ。さっさと奉仕でもしたらどうだ?」
「っ……」

言葉の意味が分かって、ツナは大きく目を見開いた。いきなりそんなことを言われたのは初めてなので、かなり驚いたのだ。

「慣れてるんだろう?それとも、中身はまだ子どもだったか?」
「っ、そんなこと……」

鼻で笑われて、かぁ、と頬が熱くなる。馬鹿にされたことよりも、まるで自分が好きで男に抱かれているような言い方に、酷く腹が立った。

(何にも、知らないくせに……)

そっちこそ今までの男達と同じ、馬鹿で無能な人間のくせに……と内心ムッとして、だが表面では平静を保ちながら男の元へと向かう。

だが、男に近付くにつれて、ツナの表情はだんだん緊張した面持ちに変わっていった。何しろ、自分から相手にそういう行為をしたことがなかったからだ。
いつも醜い欲望を突き出されて、無理やり口に銜えさせられるのだから。

ベッドに腰をかける男の前に座り、ゆっくりと股間へ手を伸ばす。ベルトを外そうとするが、緊張で手が震えなかなか上手くいかない。

男はずっと黙っていた。だが、上からじっと見下ろされているのが分かって、余計に気持ちが焦ってしまう。

やっとのことで前を寛げると、下着から萎えたそれをゆっくりと取り出した。

「っ……!」

萎えていても大きく、重量感のある男の自身。今まで見た誰のモノよりも大きいそれに、ツナは少し怯えた表情を見せる。
が、気を取り直してそれを両手で握ると、恐る恐る口に含んだ。

「ん……」

先端を銜えるだけでも精一杯のそれに舌を這わせて、手で竿を抜く。

正直、ツナはどう奉仕すれば良いのか知らなかった。今までの男は、ツナがそれを銜え、ぎこちなく扱くだけでも昂ぶらせていたのだから。

「ふ……子猫がじゃれているみたいだな」
「んっ…ん、ぅ……!」

暗に下手だと言われて、屈辱にどんどん体温が上がっていく。

次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ