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□Princess and phantom
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シャツから覗く胸元や細い足は白く滑らかで、見るからに肌触りが良さそうだ。
その表情はあどけなく、身体を丸めてくぅくぅと眠る姿は実に可愛らしかった。
(な…何ですか、この愛らしい生き物は……!)
そしてデイモンは、この小動物のような少年に視線が釘付けになっていた。心臓が、音が聞こえそうなくらい激しく高鳴るほど。
(プリーモに少し似ているような気がしますが…兄弟でしょうか…?ああ、それにしても可愛すぎます…!)
頭の中でぐるぐると考えながらも、その手はゆっくりと少年へ伸びていく。そして恐る恐る、そのふっくらとした頬を突いてみた。
(や、柔らかい……!)
感触は予想通りというか、まるでマシュマロのような柔らかさで。
「ん……」
くすぐったいのか、少年は微かに声を漏らしてもぞもぞと身動ぎする。その声も、仕草もとても愛らしいもので……デイモンはふにふに、ふにふにと飽きることなく頬を突いた。
「んん…ん、ぅ……」
すると、さすがに目が覚めたらしく、少年の目が薄らと開かれ、とろんとした瞳をさまよわせた。
「ん…ジ、ォ……?」
「っ……!」
暗くて良く見えないのか、デイモンの方を見て軽く目を擦る姿。寝呆けて舌っ足らずな声。
「…ぁああもう可愛すぎますっ……!」
「っ……!?」
デイモンは堪らず、この小さな少年にがばりと抱き付いていた。
「んむっ…んーっ、んーっ!?」
(なっ、なになになにっ…誰っ…!?)
一方、胸元に強く顔を押し付けられた少年……ツナは驚いて目を白黒させる。突然の出来事に、一気に目が覚めてしまった。
「あぁぁ本当に可愛いっ可愛いすぎてどうにかなりそうです…!」
「むぎゅーっ…!」
(やっ…やだやだやだっ…!)
ぎゅうぎゅうと抱き付かれ窒息しそうになって、ツナはデイモンの腕の中でじたばたと暴れる。ようやく解放されたと思ったら今度は頬擦りをされ、全身に嫌悪感が走り抜けた。
「やだぁっ…離してよぉっ…!」
「声も可愛い…もう我慢できません……!」
「ひっ…やだやだっ…!ジォ…ジョットぉっ…!」
抱き付かれたまま手が柔らかな臀部を怪しく撫で始め、今度こそツナは恐怖にパニックを起こした。デイモンの荒い息が肌にかかって、さらに拍車がかかる。
その時、
「……ツナヨシから離れろ、この下衆」
「ぶふっ…!」
鈍い音と、聞き慣れた凛とした声が響いて、目の前にいた男が視界から消えた。