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□Bow-wow!
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「いっ、たぁ…!なにす…」
だが、起き上がる前にベッドが軋んで、大きな身体がのしかかってくる。一瞬で組み敷かれてしまい、ツナは焦ったように後ろを振り返った。
「ちょ、ちょっと…!」
「………」
「待って…!ザンザス……!」
無言のまま覆い被さってくるザンザスを、ツナは慌てて押し退けようとする。だが、華奢な身体は簡単に押さえ付けられてしまった。
「や、やだっ…ザンザスってば…!」
「るせぇ……ヤらせろ」
「っ……!」
今日初めて聞いた声は低く、少し擦れていて。妙に色っぽいそれにドキリと……している場合ではなく、ツナは一瞬で我に返った。
「やだよっ…も、もう何回もやったじゃん!お、一昨日だって……!」
かぁぁと頬を染め口をもごもごさせるが、ザンザスは聞こうとはしない。
「昨日はやってねぇ」
「そんなっ……と、とにかく無理っ…身体保たないよっ……!」
頬を染めつつ青ざめるという器用なことをするツナと、全く表情を変えないザンザス。
やるとかやらないとか、つまりはそういう意味なのだが……かつては敵同士で死闘を繰り広げた二人が、なぜそんな関係になったのか。
リング争奪戦の後、やっと平和な日々が訪れたとホッとしていたツナだったが……その平穏はすぐに崩壊することになる。
何とあれ以来、ザンザスはたまに日本を訪れるようになったのだ。それも、ツナに会いに。
始めは殺されるのではないかとびくびくしていたが、どうやらそうではないらしく……ザンザスはツナの部屋に居座り、じっと様子を見ているという、良く分からない行動を取り始めた。
一体何を考えているのか……黙ってこちらを見て(睨んで)いるばかりなので全く理解できなかった。
だが、しばらくしたある時、これまた急に押し倒されたかと思うと、訳の分からないまま抱かれてしまったのだ。痛いし苦しいし散々だったが、同時に強い快感を与えられ、されるがままになってしまった。
それに、その頃にはもうツナもザンザスが怖いとは思わなかったし……側にいて心地よく思うようにさえなっていたので、戸惑いつつも受け入れてしまったのだ。
それからもザンザスはたまに日本へ来ては、ツナといろんなことをして過ごすという何とも不思議な関係になっていた。
それは、ツナがイタリアに来ても同じで……。
だが、近くにいるためにほぼ毎晩のように抱かれて、ツナはヘトヘトになっていた。