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□Marionette
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広くて、どこか殺風景な部屋の中。

「……みんな……」

ぽつりと呟かれた言葉は、静まり返った空間に虚しく響いた。


炎真達シモンファミリーに捕えられ、ここに閉じ込められてからかなりの時間が経った。

何度も逃げ出そうとしたが、部屋にたった一つしかないドアは外から鍵が掛かっていて出ることができない。大きな窓からバルコニーへ出ても、建物が崖の上にあり、真下は海なので飛び降りることもできない。

(死ぬ気丸と、グローブさえあれば……)

ツナはベッドの上にうずくまり、途方に暮れていた。
早く仲間の元に帰りたい。怪我をした仲間達が心配なのに、何も出来ない自分が歯痒くて仕方がない。

そして、暇さえあれば炎真やジュリーに代わる代わる、あるいは同時に犯され続けて……屈辱や恐怖に、ツナは身も心も限界だった。

だが、一番恐れているのは……

「……おっ、ツナちゃん起きたんだぁ」
「っ……!」

突然開いたドアと、聞こえてきた明るい声に、ツナはびくりと肩を跳ねさせた。
顔を上げると、部屋に入ってきた加藤ジュリーが、にやにやと笑いながら近付いてくる。

ツナは、炎真よりも誰よりも、この男と二人きりになるのが一番恐かった。何故なら……

「ヌフフ……」
「ひっ……!」

ジュリーの身体が一瞬で霧のようなものに包まれたと思ったら、次の瞬間には別の人間になっている。
それは、初代霧の守護者D.スペード……シモンファミリーであるジュリーの身体を乗っ取り、この事件の黒幕でもある男だ。

デイモンは、怯えたように後退るツナを捕食者のような目で見下ろした。

「や、だっ…こないで……!」
「ヌフフ…そんなことをしても無駄だと、何度も言っているでしょう」
「ぁっ……!」

手を伸ばせばがむしゃらに暴れるツナの身体を押さえ付けて、無理やり視線を合わせる。

「ほら……」
「っ……!」

デイモンと視線が合った瞬間、ツナはぴたりと抵抗を止めていた。そして、首に腕を回して、自らデイモンに抱き付く。

「良い子ですね……」
「ゃ、ぁ…んっ、んんっ…!」

デイモンの顔が近付いてきても、ツナは避けなかった……いや、動くことができなかったのだ。そのまま唇が重なり、口内を掻き回されれば、自らも舌を出して応える。

「んっ、んんっ…ふ……!」

デイモンは、己の術でツナの身体を支配していた。意志に関係なく、ツナはデイモンが望めば彼の喜ぶことを何でもさせられてしまう。

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