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□籠目
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牢の中へ入ると、骸は綱吉の前で片膝を着く。そして、無遠慮にその身体に触れた。

「っ……!」

白い手袋をはめた手に触れられた瞬間、びくりと細い身体が跳ね上がる。

「疼いて堪らないでしょう?貴方が寝ている間に、薬を塗ってあげましたから」
「………!」

綱吉はただ目の前にいる男を強く睨み付けて、恥辱と快楽に耐えた。それも、相手を喜ばせるだけなのだが。

「玩具も気に入ってもらえたようですね。もう前がぐちゃぐちゃですよ」
「っ…ん、ぅぅっ……!」

すでに勃ち上がり先走りを溢れさせていた自身を抜き上げられ、びくびくと身悶える。ばたつかせた足は、だが簡単に押さえ付けられてしまった。

「はしたないですねぇ……国軍の部隊長ともあろうお方が」
「っ、っ……!」

耳元で囁かれぞくぞくとした感覚に襲われるよりも、わざと辱めるような言葉に、綱吉は悔しげに顔を歪ませたのだった。
部隊を指揮する立場の自分が、無様にも敵の手に落ち、苦痛による拷問ならまだしも、こんな屈辱を味合わされるなんて。

そしてその行為を受け、心に反して身体が浅ましく反応してしまっているなんて。

それでも、綱吉が何とか己を保っているのは、

「ああ、そういえば……先ほど新しい情報が入りましてね……ボンゴレ国王についての」
「っ……!」

ふと思い出したように言われた骸の言葉に、綱吉はぴくりと反応した。

ボンゴレ国王……それは、綱吉が命を捧げるたった一人の君主で。
その主のことを想えばこそ、彼はこれまで生き長らえてきたのだ。

「報告によると、ボンゴレ国王は王都へ帰還されたようですね。つい先日に」
「………!」

それを聞いて、綱吉は敵が目の前にいるにも関わらずホッと息を吐いていた。
いや、国王の話を出されても、彼はまだ落ち着いていた。なぜなら、確信があったからだ。

残った自分の部下が、必ず国王をお守りするだろうと。無事に、王都へお連れするだろう、と。

(良かった…陛下……)

綱吉は、心の底から安堵していた。

「………」

そんな綱吉の、見たことのない表情を見た骸は、少し面白くなさそうに、

「……まぁ、これで貴方に国王のことを尋問する必要はなくなったわけですが……」
「っ…は、ぁっ……!」

乱暴に口枷を外すと、先ほどの穏やかな表情を消し、すぐにまたこちらを睨み付けてくる少年に笑う。

(そうだ…それで良い……)

自分に向けられるのは、その怒りと屈辱に満ちた表情でなければ……そう心の中で思いながら。

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