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□That ends well...?
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太陽の眩しい光、ひんやりとした清々しい空気。
実に爽やかで気持ちの良い……朝。
……のはずなのだが、
(―――ゔぉぉぉぉぉぃっ!どうしてこうなったぁぁっ!)
スクアーロは、危うく叫びそうになった言葉を飲み込み心の中で絶叫したのだった。
***
(ななな何が起こっている!?)
ボンゴレファミリー独立暗殺部隊ヴァリアーの作戦隊長S.スクアーロは、これまでこんなにも焦ったことなどないのではないかというほど動揺していた。
(とにかく落ち着け!落ち着くんだ…!)
取り敢えず状況を把握するために、素早く周りを確認する。ここは自分の泊まっているホテルの部屋の中で、カーテンの隙間から漏れる光で朝だということが分かった。
そして自分は、その部屋に一つしかないベッドで眠っていたのだ。
そこまでは普通だ。
だが、
「………」
ちらりと自分のすぐ隣を見やって、スクアーロは再び頭を抱えた。
そう、問題なのは……
「……ん、ぅ……」
一人で泊まっていたはずの部屋に……何故か自分以外の人間がいて、一緒に眠っていたということだ。
しかもその人物が、
「……むにゃ……」
「………!」
(な、ん、で!よりによってコイツがいるんだぁぁっ!)
自分の所属するボンゴレファミリーの、畏れ多くも次期ボス候補であらせられる……沢田綱吉だったのだ。
柔らかい薄茶の髪に、大きな瞳は今は完全に閉じられている。小柄な身体を丸め、すよすよと実に可愛らしい寝息を立てていた。
いや、それはまだ良い。仲が良い悪いは別にして、お互い他人ではない。むしろ同じファミリーに属する仲間なのだから。
だが一番の問題は、
「………」
今度は視線を真下に向ける。己の姿を確認して……スクアーロは、自分の行動に後悔した。
(何で……何も着てねぇんだよ…!)
普段から、上半身だけ何も身に付けずに寝ることはある。だがこの感覚は、そして今確認してやはりというか……自分は、下半身も何も身に付けていなかったのだ。
しかも、
「んぅ……」
もぞもぞと布団の中で身動ぎするツナ。そこから覗く細い肩や白い肌……ツナも、何も身に付けていなかったのだ。
つまりこれは、傍から見れば……そういう状況に取られても仕方がないではないか。
(いやいやいや待て!俺は断じてそんなっ…!)
あらぬビジョンが浮かびそうになって、スクアーロは慌てて首を振る。そして、何とか意識を失う前の記憶を手繰り寄せようとした。