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□Slave to passion
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「ん……ぇ……?」
ふわふわと宙に浮く感覚から地面に降ろされたかと思うと、ツナは自分が眠っていたことに気が付いた。
ゆっくりと目を開けば視界には白い天井、背中には柔らかい感触……大きなベッドに寝かされていて。
どこかの部屋……それも寝室のようで、白を基調にしたそこは天井も壁も白く、床も薄い色合いのカーペットが敷かれていた。ベッドとソファー、いくつかの調度品が置かれているだけのシンプルな室内。
(ここ…どこ……?)
起きたばかりでまだぼんやりとしながら、ツナは部屋の中を見渡す。眠る前の記憶を、すぐには思い出すことができない。
(確か…京子ちゃんを探して……)
ヴァリアーとの闘いの後。ほとんど日を置かずに、突然未来の世界へ飛ばされたツナ達。
そこでこの時代のボンゴレは、ミルフィオーレファミリーという別のマフィアによって攻撃され、大変なことになっているという話を聞いた。
そして、並盛の地下にあるアジトへ潜伏して、そこでまたいろいろとあったのだが……過去から一緒に飛ばされた京子が、急にアジトからいなくなってしまって……ツナ達は数人に分かれ、彼女を探しに出たのだ。
(それで……)
そこで確か、一緒にいた仲間と少し離れてしまって、それから……
(そうだ……)
目の前に長い髪の誰かが現れたと思ったら、急に意識が遠くなって……気が付いたらここにいたのだ。
何故意識を失ったのか、ここはどこなのか。あの、地下にあるボンゴレのアジトなら良いのだが……期待をしたが、この異様に白い空間はそうではないような気がして、ツナは不安に駆られた。
この白すぎる部屋は何だか気味が悪くて、嫌な予感がするのだ。
何か、自分がとんでもない状況に陥っているような予感が。
(とにかく、みんなを……)
ここがどこなのかも気になるが、仲間が側にいないことが一番の不安だった。早くこの部屋を出なければ……と、妙に気怠い身体を起こして、ベッドから降りようとした時だった。
自分の身体の違和感に気が付いたのは。
「ぇ……?」
掛けられていた布団を捲って、やけに身体が涼しいと思ったら……ツナの服装は、先ほどまでとは違っていた。
上は白いシャツ一枚で、下は下着しか身に付けていない。自分の白く、ほっそりとした両足が、シーツに浮き上がっていた。
だがそれよりも、
「な…に……?」
じゃらりとした金属音と、首に感じた違和感に身体が強ばった。