Main2

□Lovely and beast
2ページ/9ページ



ボンゴレのボスに就任してからというもの、ツナはろくに休む間もなく、ほぼ一日中忙しなく働き詰めの毎日を送っていた。それも、時には命の危険にさらされることだってある。

元々のんびりとした生活をこよなく愛し、勉強も修行もサボり癖のあったツナには、これらの生活にはもう限界を感じていた。人間、誰しもたまには休息が必要なのだ。

それが、いろいろと理由はあるのだが、今回ぶっ倒れて入院することになって……ツナは嘆くどころか大喜びだった。疲れなど、数日間しっかりと睡眠を取ればすっかり吹っ飛んでしまったのだ。
……まぁ、身体のある一部はまだ本調子ではないのだが、今は良いとして。

そして、過酷な労働をして倒れたのは確かなので、リボーンに駄々をこねてこのまま数週間の休養を取ることにしたのだった。
つまり、しばらく働かなくても良い。一日中ゴロゴロしていられるのだ。

「仕事なら今頃、皆が一生懸命やってくれてるだろうし……」

『はぁはぁっ…みん、な…!俺のいない間、ボンゴレは任せた…よ……!』
『じゅ、十代目ぇぇっ……!』

瞳に涙を浮かべて弱々しくそう言えば、ベッドにずっと噛り付いていた守護者達も一瞬でアジトへ飛んで帰っていった。今ではほとんどお見舞いにも来ないで、ツナの仕事を全てやってくれていることだろう。

つまり、自分の休息を邪魔する者はほとんどいない。
ランボにこっそり持って来させた大量のゲームを手に、この機会に思い切り羽を伸ばしてやる!とツナは意気込んでいた。

それに、同盟ファミリーで特に親しいディーノや炎真など、ちょくちょくお見舞いに来てくれる人もいるので全然退屈することはない。

お見舞いと言えば、あとは……

「………」

そこでふと、ツナはゲームをする手を止めた。ある人物のことが、頭をよぎったからだ。

キャバッローネやシモンの他にも、特殊暗殺部隊ヴァリアーのメンバーがたまに会いにに来てくれる。だが、それは幹部の人間ばかりで……そのボスとは、ツナは入院してから一度も会っていないのだ。

何故、彼のことを気にするのかと言えば、

『言っておくが……あの男は面会謝絶にしたからな』
『へ?』

入院した直後、唯一ツナの本心や入院の原因を知っているリボーンが、ベッドでだらしなくゴロゴロするツナに向かって言った。

ツナが惚けた声を上げれば、

『当たり前だ。またアイツと会って、入院が伸びたら堪らねぇからな』
『あー……』

それを聞いて、ツナは納得したようだった。

次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ