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□教えて☆ティーチャー
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良く晴れ渡った休日の昼下がり。
いつもは一日中喧しいチビ達も、今日は朝から母親とショッピングに出かけて、自分しかいない家の中はしんとしている。
久しぶりに静かな休日を満喫できる。おもいっきりゴロゴロしたり、ゲームしたりできる!
……と、大喜びしていたのに。
「ひぃぃっ!何だよコレー!?」
俺様で鬼畜な家庭教師様が、そんなこと許してくれるはずなかったんだ。
***
母親の奈々が作っておいてくれたお昼ご飯を食べて、早速ゲームでもしようかと思っていたら、お腹がいっぱいになったせいか急に眠くなってきた。窓から差し込む日差しもぽかぽかと気持ちが良いし、絶好の昼寝日和だ。
時間はまだたっぷりあるし、ちょっとだけ……と、うとうとしていたら、いつの間にか眠ってしまっていた。
そして次に目が覚めた時、何故か両手を縛られて頭上でベッドに固定されていた。しかも両足も左右に大きく広げられて、片方はサイドに括り付けられている。
(ななな何なに何事ッ!?)
時計を見ると、ベッドに横になってから数十分くらいしか経ってない。その短い時間の間に、いったい誰がこんなことを……。
「ちゃおっす。やっと起きたのか、このダメツナ」
「リ、リボーン!?」
ツナがパニックを起こしていると、お腹の上に黒のスーツとボルサリーノを身に付けた赤ん坊がぴょんと飛び乗った。
「お前っ…母さん達と買い物に行ったんじゃ…!」
「そのつもりだったんだが、出来の悪い生徒のおかげでのんびりできなくなったんだ」
「はぁっ?何のこと……っていうか何だよコレ!」
この状況を、この自称家庭教師がやったのであれば納得がいく。けど、こんなことをされる理由が分からない。
外せ、とじたばた暴れるツナを無視して、リボーンは数枚の紙を突き付けた。
「ツナ、これは何か言ってみろ」
「えっ……」
それは、先日返ってきた定期考査の解答用紙だった。いつものごとく赤点は当たり前。中には点数が一桁のものもある。
(か、隠してたはずなのに、いつの間に……!)
ツナの頬を冷たい汗が流れる。
「そ、それは…その……」
「オメー、この俺様が家庭教師してやってんのに、この点数はどういうつもりだ?」
「なっ…お前、今までまともに勉強教えてくれたことなんかなかったじゃんか!」
いつも訳の分からない訓練やら、無茶な思い付きに巻き込まれているだけで、家庭教師らしいことは何一つされていない。