From flowery bowers
□第６章
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―――――昔から、面倒なことは苦手だ。
勉強も運動も、その他やらなければいけない多くのことも……人付き合いも。
何も考えずに、ただ身体を動かすだけならまだ良い。深く考えなければいけなかったり、頭を使わなければいけなかったりすると……途端に面倒に、億劫に感じてしまう。
だからこれまで、何事においても本当に必要最低限で済ますようにしてた。特に、人付き合いにおいては……極力、自分から避けるみたいに。
幸い、この目付きの悪さと無愛想さで、周りの奴らはあんまり近付いてこなかった。変わりに、ややこしい奴らに絡まれるようにはなったけど…面倒くさくても、そいつらを相手にするのはあんまり考えなくて良いから……まだマシに思える。
……いや、そう思えるようになってきたんだろう。
今から考えれば、その唯一のイレギュラーが……アイツだったんだと思う。家族以外で一緒にいたことが多くて、たくさん話したりして。
そもそも特定の人間と何度も過ごすことなんて……今までなかったのに。
その時は、そこまで深く考えなかった。考えてれば、こんなことにはならなかったかもしれない。
いや、ここまでじゃなくても……面倒なことには変わりはないか。
初めてだった。一人の人間のことでぐるぐる考えたり、モヤモヤしたり苛々したり……数々のおかしな行動に出たりしたのは。
いつまで経っても理由が分からなかったのは、自分がそんな経験をしたことが一度もなかったのと……無意識に、そんなことはあり得ないと、というか考えもしなかったんだと思う。
正直、自分自身に勘弁してくれと言いたい。理由が分かれば全部解決すると思ってたのが、それどころか何倍にもなって面倒なことになったんだから。
いっそのこと、これなら知らないでずっとモヤモヤしてた方がマシだと思うくらい。
何が面倒くさいって……そりゃ、全てにおいてだ。詳しくは、面倒だからいちいち挙げないが。
―――――けど、
結論を出してしまうと、結局俺は―――――
＊＊＊
長いようであっという間の夏休みが終わり、今日から二学期が始まった。
といっても、始まったばかりの今日は始業式と学活があったくらいで、午前で終わったしまだのんびりできるような気がするんだが……夏休み中なのかそうでないかは気分的に全く違うみたいで、今日から始まる学校生活を嘆いたりだらけたりしてる奴がたくさんいた。