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□Dancing dolls
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「ふぁっ…ぁぁっ……!」
「は……」

ツナは懸命に腰を揺らしながら、これは操られているのではなく、自分の意志で動いているのではないかという錯覚に陥った。快楽を得たくて、高ぶった熱を解放したくて、骸を求めているのではないか、と。

見ると、眉を寄せ唇を噛み締めて、責めに耐えている骸がいて、

「っ、ふ…ぅぇぇっ……!」

ツナは、ぼろぼろと涙を零していた。

「ごめ、なさ…ごめん、なさい……!」
「な……」
「ゆるし、て…むくろ…ゆるして……!」

敵に捕えられ、犯されて……そして仲間にさえも、こうやって惨めな姿をさらして。デイモンに言われた通り、やはり自分は淫乱なのだと思い知らされる。

それが悲しくて仕方がないのに、身体は止まることがなくて……腰を振りながら、ツナは子どものように泣きじゃくった。

その時、

「ごめ、なさ…むくろ……!」
「っ、少し…黙りなさい……!」
「っ、んぅっ……!」

急に骸の顔が近付いてきたかと思うと、唇に柔らかい何かが押しあてられて。

「んっ、んんっ……!」

唇を割って侵入してきた舌に、ようやくキスをされているのだということが分かる。だが、

(なん、で…キス……?)

目の前の骸が、何を考えているのか分からなかった。はしたない自分のことなど、嫌いになってしまったのだと思っていたのに。

だが、頭の中をぐるぐると回っていた考えは、呼吸もできないようなキスに白く霞んでいって。

「っ、はぁっ…っぁ…!?ぁっぁぁっ…!」

やがて唇を解放されると、いつの間にか逆に押し倒されていて、骸に激しく揺さ振られた。自分ではなく人から与えられる快楽に、ツナは床の上で身悶える。

「ぁぁっ、なんでっ…ひ、ぁぁぁっ……!」
「く、そ……!」
「ぁっ、ぁぁ―――っ!」

骸は、密かにツナに想いを抱いていた。だからこそ、ツナをさらって手酷く犯した敵が憎かった。

だが目の前の淫らな姿に、いつの間にかこの手で犯したい、自分のモノにしたいと強く感じ始めて。

これでは、自分も敵と同じではないか……骸は自身に嫌悪するが、それでももう我慢できなかった。

一度外れてしまった理性は、もう止めることができない。

「ぁぁぁっ、むくっ……!」
「っ、沢田…綱吉……!」
「っ、っ……!」


『―――認めてしまえ。お前も、私と同類であるということを』

夢中で幼い身体を貪る骸の耳に、そんな誰かの声が響く。

自分も同じように、誰かに操られているのだろうか。何が本当で、何が偽りなのか……もう何も分からない。

ただ二人とも、ここにはいない誰かの手の上で踊らされている――そんな気がした。


*END*

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