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□Dancing dolls
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決して油断をしていたわけではない。だが、まさかツナにこんなことをされるとは思っていなかったのだ。
「っ、いきなり何を…!」
「ゃっ、だめっ…だめぇっ……!」
ツナは今にも泣きそうな表情をして、ただ必死に頭を嫌々と振っている。
(まさか……)
不自然な力に、様子のおかしいツナに、骸は確信した。
これは、ツナの意志ではない。
何者かに、操られているのだ、と。
そう……これは、初代ボンゴレ霧の守護者であるデイモンが、ツナの身体を操っているのだった。
「っ、やだっ…やだよぉっ……!」
それを嫌というほど良く知っているツナは、ただパニックを起こしている。頭の中に過ったのは、言うことを聞かなければツナ自身の手でボンゴレを潰させるという、あのデイモンの言葉だった。
(やだっ…やだっ……!)
自分が仲間を傷付けるなんて、自分のせいで仲間が傷付くなんて……考えただけでも、おかしくなってしまいそうだった。
「骸っ、逃げてっ…逃げてよぉっ……!」
「っ、だったら離しなさい…!」
「ぁぅっ…!痛っ…ぁ……!」
(っ、駄目だ……)
この圧倒的な力は、ツナのものではない。無理やり身体に外部から圧力を加えられているのだろう。
だから、無理に押し退けようとすればツナの身体が壊れてしまう。そうでなくても、全身にはかなりの負荷がかかっているはずだ。
つまり、骸には抵抗することができない。
「くっ、落ち着きなさい沢田綱吉…!」
「やだぁっ…ゃぁっ…デイモンっ…やめてぇっ…!」
「………!」
(それが、術師の名前ですか)
敵の存在を認識した骸は、何とか術を解こうとした。あるいは、その人物の場所をつかもうと意識を集中させる。
だが、
「やだっ…だめっ……んむぅっ…!」
「っ……!?」
いきなりツナの顔が近付いてきたかと思うと、唇に吸い付かれていた。突然のことに、骸は意識を奪われてしまう。
「んんっ、んっ…ちゅ…ぅ、んぅぅっ…!」
「っ、っ……!」
懸命に舌を絡めて、口内を掻き回すツナ。その熱い舌と吐息に、骸は一瞬くらりとするのを感じた。
「んん、ぁっ…はぁっ……ぁっ、うそ…!」
「なっ……!」
ようやく唇を解放されれば、今度は反対を向いて跨り、骸の下半身に顔を近付けていく。まさか、と思う間もなく、ツナの両手はベルトをガチャガチャと外し始めた。
「っ、こらっ…何を…!」
「ゃっ…それは、だめっ……!」
何をしようとしているのかなんて嫌でも分かる。ツナや骸が焦るのも当然だった。